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建ぺい率や延床面積の計算方法を解説【一級建築士の法規】

2020/03/10

建ぺい率や延床面積って一級建築士の法規で出題されるけど計算できない

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むメリット

  • 建ぺい率の計算方法がわかる
  • 延べ床面積の計算方法がわかる

私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。

この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。

建ぺい率や延べ床面積の計算の流れ

建ぺい率や延べ床面積を計算するときは、2つのパターンがあります。

敷地が商業地域と非商業地域の2つです。

それぞれの流れをご紹介します。

商業地域の場合

商業地域の建ぺい率から延べ床面積の計算の流れは下記の通りです。

  1. 指定建ぺい率が8/10となる
  2. 防火地域にある耐火建築物か確認→建ぺい率10/10に緩和
  3. 法42条2項道路による敷地面積計算
    • 道路の反対側が宅地→道路中心線から2m後退
    • 道路の反対側が川・がけ→道路の反対側から4m後退
  4. 延べ面積を計算

商業地域の場合、建ぺい率は高いです。

緩和緩和規定が適用されると敷地ギリギリまで建物を建てることも可能になります。

非商業地域の場合

非商業地域の場合の建ぺい率計算の流れは下記の通りです。

  1. 指定建ぺい率は問題文で確認
  2. 緩和規定を確認
    • 防火地域にある耐火建築物→ 1/10緩和
    • 特定行政庁が指定する街区の角地→ 1/10緩和
    • 上記の両方を満たす→ 2/10緩和
  3. 法42条2項道路による敷地面積計算
    • 道路の反対側が宅地→道路中心線から2m後退
    • 道路の反対側が川・がけ→道路の反対側から4m後退
  4. 延べ面積を計算

非商業地域の場合、建ぺい率はばらつきがあります。

なぜなら指定建ぺい率にばらつきがあり、緩和規定でさらに増えるからです。

特に緩和規定の部分を覚えておきましょう。

2018年一級建築士の法規の過去問【建ぺい率と容積率】

建築技術教育普及センター

この問題は容積率と建ぺい率を求める問題です。

容積率の詳しい求め方を知りたいかたは、こちらの記事を見てください。

では、さっそく問題を解いていきましょう。

過去問解説

まず建ぺい率から計算していきます。

敷地の上半分が商業地域、下半分が非商業地域なので、わけて計算が必要です。

商業地域の建ぺい率

手順にそって計算していきましょう。

商業地域手順①指定建ぺい率が8/10となる

商業地域のため、指定建ぺい率は8/10です。

商業地域手順②防火地域にある耐火建築物か確認

問題文より防火地域でかつ耐火建築物なので、建ぺい率を10/10に緩和されます。

非商業地域の建ぺい率

こちらもしっかり手順通り計算していきましょう。

非商業地域手順①指定建ぺい率は問題文で確認

問題文より指定建ぺい率は6/10です。

非商業地域手順②緩和規定を確認

緩和規定は下記になります。

  • 防火地域にある耐火建築物→ 1/10緩和
  • 特定行政庁が指定する街区の角地→ 1/10緩和
  • 上記の両方を満たす→ 2/10緩和

準防火地域ですが商業地域部分が防火地域なので、防火地域とみなします。角地のため、両方を満たすので2/10緩和して建ぺい率は8/10です。

商業地域と非商業地域の建ぺい率を足して2で割ると9/10なので建ぺい率は9/10となります。

住居地域と非住居地域の容積率

次は容積率を計算します。

容積率手順①特定道路による前面道路幅員の緩和を確認して計算

緩和基準は以下の通りです。

  • 幅員15m以上の特定道路があるか
  • 特定道路に接続する前面道路幅員が6m~12m未満か
  • 特定道路からの距離が70m以内か

15mの特定道路があり、前面道路の幅員が10m、特定道路から35mなので全て当てはまります。

Wr=10m、R=35mなので公式より

Wa=(12-10)×(70-35)/70=1m

です。

容積率手順②前面道路の最大幅員を確認

10mが道路幅員なので、10m+1m=11mより最大幅員は11mになります。

容積率手順③前面道路幅員による容積率を計算

容積率は下記の通りです。

  • 住居系なら幅員×4/10
  • 非住居系なら幅員×6/10

よって準住居地域44/10、商業地域66/10となります。

容積率手順④指定容積率Vsと前面道路幅員より算出した容積率Vdを比較し小さい方採用

準住居地域の指定容積率は3なので、計算した容積率4.4より小さいので3が採用です。

商業地域の指定容積率は8であり、計算した容積率6.6の方が小さいので、6.6が採用されます。

それぞれを足して2で割ると4.8なので容積率は48/10です。

建ぺい率9/10、容積率が48/10なので答えは4番になります。

計算量がそれなりにあって大変だったかもしれません。

容積率や建ぺい率の計算問題は毎年のように出題されるので、確実に解けるようなって得点源にしておきましょう。




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まとめ

この記事では、「建ぺい率や延床面積って一級建築士の法規で出題されるけど計算できない。」

こんな疑問にお答えしました。

まとめると、計算の流れを覚えれば公式もないので簡単に解けます。

この記事を参考に、素敵な建ぺい率ライフをお過ごしください。

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