一級建築士を目指したいけど、必要な知識や能力ってどんなものがあるんだろう?
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 一級建築士に必要な知識や能力がわかる
- 一級建築士の資格の勉強をしていれば勝手につく知識や能力がわかる
- 自分で意識して勉強しないとつかない実務で必要な知識や能力がわかる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
一級建築士に必用な知識は2種類
一級建築士に必用な知識は、分類するとおおきく2種類あります。
ポイント
- 建築士の試験で勉強する一般的な知識
- 試験では出題されないが、実務で必用な知識
この2種類なわけです。
では、建築士試験で勉強する、一級建築士に必用な一般知識について確認しましょう。
建築士試験で勉強する一般的な知識と能力
建築士試験で出題され、勉強が必用な知識は、こちらになります。
ポイント
- 計画
- 環境・設備
- 法規
- 構造
- 施工
- 図面、設計
都市計画や歴史、モジュールなどの知識
一級建築士には計画の知識が必用です。
計画の知識とは、建築の歴史や標準モジュール、建築の施設の種類ごとの計画方法やす必要な面積などの数字関係をいいます。
なぜ必要かというと、最低限の使いやすい寸法や間取りの作り方などを覚えていないと、まともに設計できないからです。
例えば、トイレを作ろうと思った時、トイレの幅の標準的な寸法を知らないと、大きすぎるトイレを作ってしまったり、トイレットペーパーが取りにくい、といったことが起こります。
ちゃんと設計ができるようになるためにも、計画の知識は必要です。
住環境や建築設備の知識
環境・設備の知識も一級建築士には最低限必用です。
なぜなら、デザインだけできて設備の知識のない建築士だと、建物として成立しない建物を設計してしまうからです。
具体的には、上水や下水道のスペースを計算していなければ、トイレやキッチンなどを設置できません。
当たり前と思えるかもしれませんが、設備の知識がないまま設計しようとする人もいます。
ですので、環境・設備の知識は一級建築士に必須です。
建築基準法などの法律の知識
当然ですが、法律の知識も一級建築士に必用です。
理由は、違法の建物を設計するのでは安全性や居住性など多くの点で問題がたくさん出てしまうからです。
具体的には、建築基準法や消防法、・・・など様々な法律の知識が必用になります。
法律をすべて覚える必用はありませんが、必要に応じて法律を調べることができる知識、どんな法律があるのかという知識が必用です。
構造力学の知識
一級建築士には、構造力学の知識が最低限必用です。
なぜかというと、構造力学の知識がない状態で設計すると、構造がなりたたない建物を設計してしまうからです。
例えば、絵で書くことはできても、実際に絵のとおりに作るとなると、建物が倒れてしまう、といったことが起こります。
ですので、構造力学の知識を持った状態で設計しないと設計になりません。
施工、工事の知識
一級建築士には、施工、工事の知識も当然必用です。
理由は、デザインするのが建築士の仕事ではなく、実際に建てられる建物を設計することが建築士の仕事だからです。
具体的な例を考えると、こんなデザインのインテリアにしたいと考えても、実際に工事するのは無理な内装にしては設計しなおしですし、無意味ですよね。
ですから、ちゃんと工事ができるような設計ができるように、施工の知識も一級建築士には必用になります。
図面、設計の知識と設計能力
建築士は、図面の知識や設計の知識は必須です。
なぜなら、建築士は設計のための資格だからです。
ですから、具体的に言うと、どんな図面があるのか、どの図面のにどんな内容を描けばいいのか、エスキス手順はどうやるのか、といったことがわかっている必要があります。
なので、一級建築士は、当たり前ですが、図面や設計の知識が必要です。
今まで上げてきたものは、建築士の試験で出題されるので、勉強の方法も簡単な知識ばかりでした。
しかし、試験には出ないけれど、必要な知識もあります。
試験では出ないけど必用な知識と能力
建築士の試験には出ないけれど、一級建築士に必要な知識と能力は
ポイント
- CADの知識と作図能力
- パースの知識と作成能力
- デザインの知識
- 見積、実行予算作成の知識と能力
- フリーハンド作図の能力
- 文章作成の能力
意外にも結構ありますね。
順番にみていきましょう。
CADの知識と作図能力
一級建築士であれば、当然のようにCADの知識が必要となります。
なぜなら、CADを使って設計図を書くことが多いからです。
具体的な例をあげると、AutoCADやVectorworks、Archicadなどがよく使われているので、CADの操作方法は普通に操作できるレベルで習得しておきましょう。
最近ではBIMを使うことも増えてきていますが、まだまだ大規模物件に限られていますので、BIMの知識はまだなくても大丈夫です。
パースの知識と作成能力
パースの知識もある程度は必要です。
なぜかというと、パースも提案資料として作成して提出するからです。
例えば、建築の知識のない一般の人にとって平面図や断面図を見てもなんだかイメージが沸きません。
ですので、パースを使って完成イメージを作り、施主の頭の中に想像させることが大切になります。
場合によっては3Dモデリングを行って、立っている時と座っている時でどのように違って見えるのか、といった資料も必要になるでしょう。
大きな設計事務所では外注することも多いですが、小さな事務所では自分で作成しますし、指示をするにもパースの知識は必要です。
パースの知識も一級建築士なら覚えておいてください。
デザインの知識
一級建築士にも色々いますが、最低限のデザインの知識は必要になります。
理由は、一級建築士は設計をするイメージがあるわけですから、当然デザインもできて当然と思われているからです。
意匠設計の方はデザインの勉強をしているので問題ありませんが、構造設計や設備設計だと意識して勉強しておかないと困ることもあります。
幅広くデザインの知識を学ぶことは、一級建築士にとって必要なことです。
見積もり、実行予算作成の知識と能力
実務ならではですが、見積作成や実行予算を作成する知識も、一級建築士には必要になってきます。
なぜなら、設計料を請求するのも建築士の仕事だからです。
まあだれかにやらせてもOKです。
ですが、正直どれくらいの時間がかかってるとか、模型の材料費などの経費がどれくらいかかるか、CADで図面を書くのがどれくらい大変なのか、といったことを含めて見積もりをするわけです。
ですので、一級建築士が自分である程度の設計の金額を算出したり、工事の金額にはこれくらいかかるよっていうのは把握していると良いでしょう。
お施主さんとの窓口も、営業がいなければ基本的には建築士になるわけですから、お金の話と技術的な話の両方ができなければ話になりません。
なので、一級建築士は見積や実行予算の作成知識も頭に入れておきましょう。
フリーハンド作図の能力
フリーハンドの作図の知識というか、フリーハンドで作図できる技能も一級建築士に必要です。
なぜなら、打合せしながら作図することがあるからです。
打合せをしながら作図をするとなると、CADで作図するよりも手で描いた方が圧倒的に早いです。
イメージを伝えるのも、手書きが圧倒的に伝わるので、フリーハンドで作図できるようになっておくのをおすすめします。
一方で、CADで高速で作図できるようになるのも一つの方法です
ですが、アイソメやアクソメでサクッと描いて伝えたりする方が伝わりやすいので、場合によって使い分けができるとよいでしょう。
文章作成能力
実は、一級建築士には文章の作成能力も必要です。
理由は、しょっちゅう文書で報告書などを提出しますし、プレゼン資料でも文章で説明することが多々あるからです。
図面だけ書ければOKということでもないので、一級建築士ならば文章でも説明できるようになりましょう。
まとめ
この記事では、「一級建築士を目指したいけど、必要な知識や能力ってどんなものがあるんだろう?」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、建築士の資格の勉強をしてれば大体必要な知識はつきます。ですが、実務で必要な知識は自分で勉強しないとつかないので、ちゃんと勉強しましょう。
この記事を参考に、一級建築士として活躍できるようになってください。