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断面係数と断面二次モーメントの過去問解説【一級建築士の構造】

2020/02/19

断面係数とか断面二次モーメントってどうやって計算するんだっけ?

一級建築士の構造の問題で出るから解けるようにならないと

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むメリット

  • 断面係数が何かわかる
  • 断面二次モーメントが何かわかる
  • 公式と計算の方法がわかる

私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。

この記事はだいたい4分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。

断面係数とは【公式も紹介】

断面係数とは、曲げ応力度が最大となる時のふち応力度を求める係数です。

断面係数の公式

断面係数の公式は下記を覚えておけば良いでしょう。

  • M=Z・σ
  • Z=I/y
  • Z:断面係数、M:曲げモーメント、I:断面二次モーメント、σ:曲げ応力度、y:断面の上下端までの距離

断面係数を求める公式は以下を覚えてください。

  • 四角形:bh2/6
  • 円:πD3/32
  • b:幅、h:高さ、D:直径、π:円周率

断面二次モーメントとは【公式も紹介】

断面二次モーメントとは、断面の曲がりにくさを表す断面定数です。曲げ剛性と決めるとても重要な値になります。

単位はcm4でありヤング係数×断面二次モーメントが曲げ剛性です。

断面二次モーメントの公式

断面二次モーメントの公式は下記を覚えておきましょう。

  • 四角形:bh3/12
  • 三角形:bh3/36
  • 円:πD4/64
  • b:幅、h:高さ、D:直径、π:円周率



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計算方法は公式に当てはめるだけ

一級建築士の構造の問題で出題されるようなものは、基本的に公式当てはめれば解けます。たまに難問も出ますが、落ち着いて解けば大丈夫です。

では、例題を使って使い方を確認しましょう。

例題【四角形の断面二次モーメントと断面係数を求める】

四角形断面二次モーメントと断面係数の求め方例題

図のような幅がa、高さが2aの四角形の断面係数と断面二次モーメントを計算してみます。

もうさっそく公式にぶちこみます。

Z=bh2/6

=a×(2a)^2/6

=2a^3/3

I=bh3/12

=a×(2a)^3/12

=2a^4/3

公式にぶちこむだけでちゃんと答えが出ますね。

では、これを応用して問題を解いてみましょう。




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例題【H鋼の断面二次モーメントと断面係数を求める】

H型鋼の断面二次モーメントと断面係数の求め方例題

それでは図のようなH型鋼の断面二次モーメントと断面係数を求めてみましょう。

計算方法の解説

基本はやはり公式を使います。

I=bh3/12

=b×(h)^3/12-(b-t2)×(h-2t1)^3/12

Z=I/yなので、

Z={b×(h)^3/12-(b-t2)×(h-2t1)^3/12}/(h/2)

={b×(h)^3-(b-t2)×(h-2t1)^3}/6h

となります。

ここのポイントは、断面二次モーメントは足し算や引き算ができるけど、断面係数はできないという点です。

なので、足し算や引き算が必要な場合は断面二次モーメントを使って断面係数を求めましょう。

令和元年度の一級建築士の構造の過去問

令和元年度の一級建築士の構造の過去問 断面二次モーメントで解く
建築技術教育普及センター

ためしにこの過去問を解いてみましょう。

この問題は断面二次モーメントを理解していないと解けません。

過去問の解説

まず前提の知識として、たわみの公式を覚えておく必要があります。

たわみの公式は

δ=PL3/48EI

です。

部材の長さの3乗に比例し、曲げ剛性に反比例しています。

この問題ではP、L、Eが同じ条件ですので、断面二次モーメントがどうなるのかということを計算すればOKです。

ではAから順に計算しましょう。

令和元年度の一級建築士の構造の過去問 断面二次モーメントで解くA

ただ、公式にいれるだけなのでサクサクいきます。

I=bh3/12

=2a×(2a)^3/12=16a^4/12

令和元年度の一級建築士の構造の過去問 断面二次モーメントで解くB

続いてBの断面二次モーメントを計算します。縦に二分割されているので、

I=bh3/12

=a×(2a)^3/12+a×(2a)^3/12

のように2つを足します。ですから、

=2a×(2a)^3/12=16a^4/12

こうなります。

令和元年度の一級建築士の構造の過去問 断面二次モーメントで解くC

Cの断面二次モーメントを計算します。

Cは横に二分割されているので、hを半分にして足しましょう。

I=bh3/12

=2a×(a)^3/12+2a×(a)^3/12

=4a^4/12

となります。

Ia:Ib:Ic=4:4:1なので、

δa:δb:δc=1/Ia:1/Ib:1/Ic

=1/4:1/4:1=1:1:4

となるので、答えは二番です。

断面二次モーメントの計算方法は理解できましたか?

なれると暗算で解ける問題ばかりなので、繰り返し解いてからだに染み込ませましょう。

まとめ

この記事では、「断面係数とか断面二次モーメントってどうやって計算するんだっけ?一級建築士の構造の問題で出るから解けるようにならないと」

こんな疑問にお答えしました。

まとめると、公式を覚えて過去問を解けば合格できます。

この記事を参考に、素敵な構造計算ライフをお過ごしください。

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