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建築の立面図に書くべき寸法【検討や法律チェックに必要】

建築の立面図に書かなきゃいけない寸法ってなんだろう?どれを書いて、どれを書かなくてよいか判断できない。

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むメリット

  1. 立面図に書くべき寸法がわかる
  2. できれば書いたほうが良い寸法がわかる

私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。

この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。

建築の立面図に書くべき寸法

建築の立面図に書くべき寸法は、3つあります。

ポイント

  1. GLから1FLまでの寸法
  2. GLから軒高、RFLまでの寸法
  3. GLから最高高さまでの寸法

それでは、順番に確認していきましょう。

GLから1FLまでの寸法

GLから1FLまでの寸法は立面図にも書いてください。

なぜなら、外装仕上げの範囲などの検討に使うからです。

具体的には、外装仕上げが1FLのどこまで来てるのか、防水をどこまで立ち上げるのかといった判断に使ったりします。

そうはいうけれども、1FLが書いてなくたって断面図には書くからいいのではないかという意見もあります。

確かに断面図を確認すれば1FLの高さは確認できます。

ですが、チェックするのに1枚の図面でチェックできたほうが便利で検討も早いです。

というわけで、GLから1FLまでの寸法は立面図にも書きましょう。

GLから軒高、RFLまでの寸法

次は、GLから軒高、RFLまでの寸法も書いてください。

理由は、いわゆる軒高は法律の規制にひっかかる部分だからです。

たとえば、高さ制限と呼ばれる規制があります。

これは、建物の高さが一般住宅のように勾配屋根の場合、最高高さだけで規制を行うと様々な無理がでてきてしまうので、軒高を判断基準にしているのです。

ですので、GLから軒高、RFLまでの寸法も書きましょう。

GLから最高高さまでの寸法

さらに、GLから最高高さまでの寸法も必ず記入してください。

なぜかというと、軒高同様に法律による規制がかかってくるからです。

具体的には、絶対高さ制限と呼ばれている規制があります。

第一種、第二種低層住居専用地域のような低層専用の地域では、建築物の高さを10mまたは12m以下に制限しています。

最高高さが、この絶対に越えてはいけない高さを越えた建物は建てることができません。

なので、GLから最高高さまでの寸法も必ず記入しましょう。

書かなくてもいいけど書いた方が良い寸法

書かなくてもいいけど、できれば書いたほうがいい寸法は主に4種類あります。

ポイント

  1. FL間の寸法
  2. 敷地境界から外壁ラインまでの寸法
  3. 外壁ラインから斜線制限までの寸法
  4. 通り芯間の寸法

順番に確認していきましょう。

FL間の寸法

FL間の寸法は、可能ならできるだけ書きましょう。

というのも、外装の仕上と平面図の食い違いを減らせるからです。

例えば、2FLの位置がわかれば2FLの外装建具の高さチェックを簡単にできます。

とはいえ、FL間の寸法なんてなくても建具の高さチェックなんてできるという意見もあります。

確かにそうで、小さい住宅のような建物であれば簡単にチェックできます。

ですが、建物の規模が大きくなればなるほどチェックが大変になります。

ですので、FL間の寸法はできるだけ書きましょう。

敷地境界から外壁ラインまでの寸法

敷地境界から外壁ラインまでの寸法もできるだけ書きましょう。

理由は、建物と隣地境界との距離を離さなければいけないと法律できまっているからです。

具体的に言うと、民法だと50㎝以上、建築基準法だと1m以上離さなければいけません

そうは言うけれども、敷地境界からはみ出すような設計ってなかなかないのでは?という意見もあります。

確かにその通りで、普通に設計してたら敷地から建物がはみ出すことはそうそうないでしょう。

だからこそ、チェックが甘くなってうっかりはみ出してしまいます。

ですので、敷地境界から外壁ラインまでの寸法もできるだけ書きましょう。

外壁ラインから斜線制限までの寸法

外壁ラインから斜線制限までの寸法もできるだけ書きましょう。

なぜなら、斜線制限にかかってないことを明確に示せるからです。

たとえば、北側斜線制限や隣地斜線、道路斜線制限などがあります。

ですが、そもそも斜線だから寸法で表現するのは難しいという意見もあります。

確かにその通りで、斜線の部分を寸法で表現するのは難しいでしょう。

ですので、各FLからの距離と斜線部分の直行距離をそれぞれ書けると、どれくらい余裕をもって設計できるかわかるので良いです。

そうすると、斜線制限を確実にクリアしていることがわかります。

ですので、外壁ラインから斜線制限までの寸法もできるだけ書きましょう。

通り芯間の寸法

通り芯間の寸法もできるだけ書くようにしましょう。

理由は、平面図と立面図との整合性のチェックができるからです。

具体的に言うと、建具の位置のチェックが容易にできます。

一方で、通り芯なんて書かなくてもチェックなんてできるという意見もあります。

確かにその通りで、小さな建物でしたら通り芯などなくても簡単にチェックできるでしょう。

ですので、大きな建物の場合は特にチェックしやすくなります。

そのため、通り芯間の寸法はできるだけ書くようにしてください。




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まとめ

この記事では、「建築の立面図に書かなきゃいけない寸法ってなんだろう?どれを書いて、どれを書かなくてよいか判断できない。」

こんな疑問にお答えしました。

まとめると、法律などの規制をクリアしてるか判断するために必要な寸法を全部書いてください。検討するのにも寸法がいろいろ入っている方がチェックしやすいです。

この記事を参考に、立面図をマスターしましょう。

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