『現場監督の仕事内容ってどんなものなんだろう?』
『どれくらいの量の仕事が普通なんだろう?』
と悩んでいませんか?
この記事では、現場監督を目指している方や、興味がある方、新米の現場監督に向けて、現場監督の仕事の内容や量をご紹介します。
この記事を読むメリット
- 現場監督がどんなことをしてるかわかる
- 現場監督がどれだけの仕事をしているかがわかる
記事の信頼性として、自己紹介を簡単にします。
私は建築学科の大学院を出ており、現場監督として10年ほど働いています。
一級建築施工管理技士も持っています。
なので、この記事の信頼性はあると思います。
それでは、ご覧ください。
現場監督とは
現場監督とは、工事現場を監督する仕事です。
現場を監督するというのは、品質、安全、コスト、工程(スケジュール)を管理します。
簡単に例を出すと、木造の住宅なら木材が必要なので、木材を発注するわけですが、その木材が予算内の値段で買い(コスト)、適切なタイミングで届くように手配し(工程)、届いたら大工さんが安全に作業できるような足場を整備して(安全)、大工さんの仕事が設計図通りかチェックする(品質)、というような内容です。
施工管理とは
似たような言葉に施工管理(せこうかんり)という言葉がありますが、これは現場監督の仕事のことです。
基本的に同じ意味と思ってもらって大丈夫です。
仕事の内容や量
では、現場監督の具体的な仕事の内容はどういったもので、どれくらいの量があるのでしょうか。
内容と量に分けて説明します。
仕事の内容
仕事の内容は、主に4つです。品質、コスト、工程、安全の管理です。順番に説明します。
品質
品質の管理は、主に2つを管理します。
使う材料の品質と、作った完成品の品質です。
使う材料の品質とは、手配した材料が所定の品質のものなのか、ちゃんと手配した材料が手配した数だけ届いているのかをチェックします。
例えば、鉄筋が2本必要なのに1本しかなくて、1本で工事をしたら、必要な強度になりません。
当たり前のことなのですが、数が多くなると数え間違いなどがあるので、しっかりとチェックします。
完成品の品質は、出来上がった仕事が基準内におさまっているかを確認します。
例えば、床を作ったら傾いていた、といったことが起きると問題ですよね?
そうならないように、節目ごとにチェックして、基準内におさまるようにするのが仕事です。
コスト
コストの管理は、主に3つあります。
材料のコスト、労務・人件費のコスト、経費の3つです。
新米の現場監督がコストを管理することはあまり無いですが、現場によっては管理しなければいけません。
簡単に言うと、赤字にならないように管理するのが仕事です。
材料のコストは、見積もりどおりの量で良いか、予算内に収まっているかをチェックします。
例えば、10個必要なところを1個間違って使い、1個追加で発注したら、予算が10個で見ていたら赤字になります。
そうならないように、事前にチェックして、間違って使う前に注意して防いだりします。
労務・人件費のコストは、何人で何日仕事にかかるのかを管理します。
同じ仕事でも、作業しにくいと時間がかかりますが、作業しやすいと効率が上がり早く終わります。
効率をあげて早く終わらせるのが仕事です。
経費は、電気代や水道代などのことです。
大体事務の人が管理してくれることが多いですが、人が少ないところだと自分で管理します。
工程
工程の管理は、主に3つあります。
工程表の作成、日々の進捗管理、作業間調整です。
工程表の作成は、全体のスケジュールの作成です。
いつ発注して、いつ搬入して、いつ作業するのかをまとめます。
全体では表現しきれない場合、週間工程や月間工程を作成します。
必要に応じて、作業計画書も作成します。
日々の進捗管理は、工程表通りに毎日予定している作業が終わっているか、次の作業に支障は無いか、材料は届いているかを確認します。
毎日確認することで、遅れそうなところを事前に把握し、早めに対策が取れます。
作業間調整は、工程表の通り作業ができないようなところが発生したり、作業に遅れが出ているような場所で、作業の順番を変えたり、人員の配置換えをしたり、作業する場所を変えたりして、遅れが出ないように調整します。
最初のうちは、翌日の作業も予定通り進ませるのが難しく感じるかもしれませんが、数をこなすうちに慣れてできるようになります。
数日後に何が必要になるかを確認しておけば、大抵スムーズにいきます。
安全
安全の管理は、主に3つあります。
安全施設の管理、体調の管理、危険作業の管理です。
安全施設の管理は、落下の危険があるような場所に手摺があるか、無理な体勢での作業が無いかなどを管理します。
必要なら作業足場を手配します。
体調の管理は、作業の前に顔色を見たり、二日酔いだったりしないか聞いたりして、体調に問題があれば軽い作業にしたり休ませたりします。
危険作業の管理は、周囲で危険な作業がある場所を把握して、立ち入らないように注意喚起したり、事故の多い作業の事例を共有して意識を高めたりします。
危険作業と事前にわかっている場合は、作業計画書を作成して事故を未然に防ぎます。
今日の作業にはどんな危険があるか、事前に確認することも有効です。
怪我や事故があると、作業する方が働けなくなったり、作業が遅れて賠償金が必要になったりと、大きな問題に発展します。
安全第一で管理しましょう。
仕事の量
現場監督の仕事の量はどれくらいなのかというと、現場によってかなり差があります。
そんなことを言うと、そりゃそうだろうけど実際どれくらいなの?という意見が出ると思うので、少し具体的に言うと、忙しいところは毎日泊まりで、寝る間もありません。
楽な現場だと、20時くらいには仕事を終えることができます。
残業0というのは基本的にできません。
なぜなら、現場での職人さんの作業時間がだいたい8時間なのに、作業開始前の確認と、作業終了後の確認が必要になるからです。
多くの現場は8時に朝礼をして、17時過ぎまで作業します。
なので、必然的に出社は7時頃に、退社は早くても18時以降になります。
現場の作業が終了してから、日中できなかった翌日の準備をするので、楽な現場だとだいたい20時頃に帰れます。
一般的な仕事時間の9時~17時から比べると、8時~20時は4時間ほど毎日残業の必要があります。
よほど人員に余裕があるところだと、交代制でできますが、非常に珍しいです。土曜はだいたいが出勤で、日曜祝日が休みの現場が多いですが、忙しいところだと日曜祝日も出勤になります。
残業代がきっちり出る会社だと、しっかり稼げるので稼ぎたい人には向いてると思います。
働き方改革の名のもと、残業削減に様々なことが試されているので、稼ぎ時はまさに今でしょう。
まとめ
『現場監督の仕事内容ってどんなものなんだろう?』『どれくらいの量の仕事が普通なんだろう?』と悩んでいて、現場監督を目指している方や、興味がある方、新米の現場監督に向けて、現場監督の仕事の内容や量をご紹介しました。
仕事の内容は、品質、コスト、工程、安全の管理です。
量は、一般的に4時間ほど毎日残業の必要がありますが、現場によってはそれ以上です。土曜も基本的に出勤です。
内容は多岐に渡り、量も多いですが、その分様々な成長ができる仕事でもあります。
この記事で、現場監督がどんなことをしてるか、現場監督がどれだけの仕事をしているか理解してもらえたら嬉しいです。