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建築図面の基礎知識【製図で使う図面の種類と意味を網羅】

2020/02/01

『設計図って色々あるけどどんなものがあるのかな?』

『何種類かあるみたいだけどよくわからないな』

と悩んでいませんか?

この記事は、建築の設計図の種類がわからない方に向けて、設計図の種類をご紹介します。

この記事を読むメリット

  • 建築の設計図の種類がわかる
  • 設計図の種類ごとの概要がわかる

記事の信頼性として、自己紹介を簡単にします。

私は建築学科の大学院を出ており、ゼネコンで10年ほど働いています。一級建築士も取りました。なので、この記事の信頼性はあると思います。

それではご覧ください。

意匠図

設計図は大きく分けて3つに分類されます。意匠図、構造図、設備図です。

まずは意匠図から説明します。

意匠図とは、建物の形や間取り、デザインなどを伝えることに特化した図面です。

意匠図には、平面図、断面図、立面図、矩計図、天井伏図、展開図など様々な図面があります。

ではまず、平面図から順番に説明していきます。

平面図とは

平面図とは建物の間取り、建具の種類・位置、開き勝手、家具の位置、耐力壁の種類・位置、床高、空調位置、点検口の大きさ・位置などを階ごとに示した図面です。

設計図を作るときは必ず作成します。もっとも基本的な図面です。

断面図とは

断面図とは、各階の平面図を指定の位置で切った図面です。

最高の高さ、各階高、天井、GL、FL、基礎深さなどの高さ関係が記載されています。

立面図とは

立面図とは、建物の外観を東西南北の方向より見た図面です。屋根の形状、開口の位置・種類、樋の位置、庇などの形状を表します。

外装の形や仕上げ、設備を網羅すればOKです。姿として現れるすべての面を正面となるように書きます。

矩計図(かなばかりず)とは

矩計図(かなばかりず)とは、建物を指定の位置で切った図面です。断面詳細図の一種であり、構造躯体、高さ関係、仕様を詳細に表現しています。

水平方向に対する垂直方向の高さ関係を見る情報図です。特に窓回りの納まりや、屋根と壁の納まりなど防水関係に注意して書きます。

何枚か書いて、わかりにくい部分を表現できればOKです。途中省略をしないで全スパンの断面詳細を押さえられるようにします。

天井伏図とは

天井伏図とは、天井を見上げた形状、デザイン、仕様、照明位置などを表します。

メインで表現するのは天井の仕上げです。設備機器なども合わせて書きます。

展開図とは

展開図とは、各部屋の内観を東西南北の方向より見た図面です。

壁面にある仕上、建具、家具の形状、デザインも記載されています。戸建てのような小さな建物は展開図を多く書きますが、大規模な建物では最小限しか書きません。

平面詳細図とは

平面詳細図とは、平面的な納まり、構造躯体、仕様、寸法関係を詳細に表現した図面です。

あらゆる図面とかかわり合って情報発信的な役割を担います。

配置図とは

配置図とは、敷地内における建物の位置、高さ関係、方位、道路との関係などを表す図面です。

建蔽率や容積率も記載します。一階の平面図で配置図を兼用することもあります。

ここまでは意匠図の中の様々図面について説明してきました。次は構造図について説明します。

構造図

構造図とは、建築の構造部材を表した図面です。柱や梁などの部材や、部材ごとの接合部の形式などを書きます。

構造図には、床梁伏図、軸組図、配筋詳細図、基礎伏図、屋根伏図などがあります。ここでは床梁伏図と軸組図についてご紹介しましょう。

床梁伏図とは

床梁伏図とは、構造図の一種で、梁や柱などの構造材の寸法、位置、仕様などを表します。

意匠図の情報をもとに、荷重に耐えられる必要な構造体を書きます。

意匠図で表現されている構造体は仮で書いているので、構造図を優先して躯体の作成が必要です。

軸組図とは

軸組図とは、構造図の断面図です。各通り芯で断面を作成し、高さ方向の情報を書きます。

具体的には、最高の高さ、各階高、FLからの構造体高さなどを表現するため、土台・柱・梁・小屋束・母屋・継ぎ手などの架構や寸法、材料を書きます。




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設備図

設備図とは、コンセント配線や照明配線、水道管、配水管、ガス、冷暖房、換気などの配管・配線図のことです。

設備図には、配線や配管の経路、機器の取り付け位置、照明の数、コンセントの数、換気扇の品番などが平面図や断面図上に書きます。

設備図の種類は、電気設備図、給排水衛生設備図、空調換気設備図などがあります。ここではその3つについてご紹介します。

まずは電気配線図について説明していきましょう。

電気設備図とは

電気設備図とは、配線図とも呼ばれ、コンセントや照明、電話などの設備の位置を平面図や断面図上に示した図面です。

具体的には、電気が分電盤を通って各部屋に配線されていく経路やスイッチ位置、コンセントの位置、照明器具の位置などが記載されています。

空調換気設備図とは

空調換気設備図とは、エアコンや室外機などの空調機や、換気扇などについて書いた図面です。

具体的には、エアコンの数や室外機とエアコンを繋ぐ配管、換気扇位置、換気扇の換気能力などを書きます。

給排水衛生設備図とは

給排水衛生設備図とは、給水設備、排水設備、衛生設備について網羅的に書いた図面です。

具体的には、給水設備である水道の給水配管経路や蛇口の位置、排水設備である排水管の経路、トラップの位置、衛生設備であるトイレの数や位置などが記載されます。

まとめ

『設計図って色々あるけどどんなものがあるのかな?』『何種類かあるみたいだけどよくわからないな』と悩んでいる方に向けて、建築の設計図の種類がわからない方に向けて、設計図の種類を説明しました。

設計図には意匠図、構造図、設備図の3種類あります。意匠図ではデザインや形状、構造図では建物の構造、設備図では配管や電気などを書きます。

記事を参考にし、建築図面の基礎知識をつけてくれたら嬉しいです。

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