『建築士の学科試験って対策どうすれば良いの?』
『そもそも何を勉強すれば良いのかな?』
と悩んでいませんか?
この記事では、一級建築士の初受験者に向けて、どんなことを勉強すれば良いのか、勉強方法などをご紹介します。
この記事を読むメリット
・勉強すべきものがわかる
・勉強方法の概要がわかる
記事の信頼性として、自己紹介を簡単にします。私は建築学科の大学院を出ており、ゼネコンで10年ほど働いています。一級建築士も取りました。
なので、この記事の信頼性はあると思います。
それでは、ご覧ください。
なぜ一級建築士を取るのか
そもそもなぜ一級建築士を取るのかというと、メリットは主に以下の3つです。
- 転職や昇給で有利
- 設計・審査業務に必須
- 社内外から信頼を得るために必要
逆に言うと、これにあてはまらない人は、無理に取る意味は無いと思います。より詳しく見たい方はリンク先で解説しています。
どんな人が受験しているのか
設計者を目指す人しか受験していないと思いきや、じつは一級建築士は設計者以外もたくさん受験
しています。
具体的に言うと、施工者・工事現場監督・メーカー・発注者・コンサル・大工など様々です。営業の人や監理者、検査をする人なども受験します。
どのようにどれくらい勉強するのか
結論から言うと、過去問を中心に1000時間勉強すれば合格
できます。
なぜなら、過去問がそのまま出題されたり、少し変わるだけで出題されるのがおよそ75%程度だからです。以下の表が2019年の学科試験における正答が初出題の問題数です。
2019年度 | 計画 | 環境・設備 | 法規 | 構造 | 施工 | 合計 |
正答が初出題 | 7 | 4 | 9 | 7 | 8 | 35 |
全問題数 | 20 | 20 | 30 | 30 | 25 | 125 |
過去問を全部パーフェクトにでき、残りを確立で点数を取れると、計算上102点ほど取れます。なので、とにかく1000時間を目指して勉強をしましょう。
詳しくはリンク先で解説しています。
何をどう勉強するのか
学科試験の受験科目は5つあります。計画、環境・設備、法規、構造、施工です。どんなことが出題されるのかというと、大きく分けて計算問題と暗記のどちらかです。
では、それぞれでどんな内容が出題されているのか、見てみましょう。
計画は暗記で攻略
計画は、建築の歴史や有名な建物名、設計者、設計の時に覚えておきたい数値関係がでます。
全部暗記すればオッケーです。なんで暗記しなきゃいけないかというと、良く使う寸法や数値類は最低限覚えておきましょうね、という建築士協会からのメッセージだからです。
例えば、設計しようとする時にいちいち調べてたらまともに設計できないのですよね?なのでしっかり覚えましょう。
具体的にどんなものを覚えるのかというと、東京オリンピックの新国立競技場のコンペにかかっていた、ザハの過去に作った建物の名前、カフェの照明のちょうど良い明るさ、車イスが使える廊下の幅の広さ、など覚えることがたくさんあります。
とはいえ、理解に時間がかかるような問題は少ないため、一気に詰め込めば短期間で点数アップができるチャンス科目でもあります。
覚えた数値が製図試験でもそのまま使用できるので、製図が終わるまでは覚えていられるように勉強しましょう。
環境・設備は少しの計算と暗記で対策
環境・設備は、住環境にまつわる項目やコンセント・照明・水道・空調などの知識問題や計算問題がでます。
なぜなら、設計はデザインを決めるだけでなく居心地の良い建物にしなければいけないからです。
例えば、どうすれば結露しないか、離れると明るさや音量はどうなるかといった問題が出ます。計算したり、一般常識を組み合わせたりして問題を解きましょう。
具体的には、設計用全天空照度において、「快晴の青空」は、「特に明るい日(薄曇)」の何倍程度か、のような問題が出ます。
このような問題は暗記してしまえば大丈夫です。
ですが、音の強さのレベルを40dB下げるには、音の強さをいくつにすればよいか、といった計算が必要な選択問題も出題されます。
計算問題は決まったところしか出ないので、しっかりと対策しておきましょう。
法規も実は暗記でOK
法規の問題は法令集から出題されます。法律の問題なので、法令集から出るのは当然と言えば当然でしょう。
なので、法令集を探せば答えが載っています。ですが、問題が法令集を探しながらでは解ききれないほどあるので、時間内に解ききれません。
そのため、良く出題される問題は覚えてしまって、過去問から出てない問題を法令集から探して解きましょう。
勉強は法律の用語や見方、理解の仕方が難しいので、早めにとりかかってじっくり解けるようになりましょう。計算問題も解き方さえ覚えてしまえば簡単です。
構造は計算問題を確実に
構造は6問くらいが計算で、他が用語などの知識になります。計算式や公式を覚えておかないと、実際に構造計算する際にまともにできません。
構造設計者にとっては常識的な問題であり、仮設の構造計算にも使える汎用的な知識なので、時間をかけて確実にできるようになりましょう。
具体的には、単純梁のたわみやモーメントの計算や、地震時の揺れが大きくなるときの条件など、ザ・構造という感じの問題がでます。
用語が結構難しいので、早めに勉強をはじめましょう。
施工は暗記すればサービス問題ばかり
施工の問題は、安全や施工計画、管理基準値、工程などが出ます。安全衛生法なども出るので、法規の分野と一部かぶっているところもあります。
設計者の多くは施工のことをあまり理解していないので難問に感じますが、監督や大工などの工事に携わる人々にとってはサービス問題のようなものです。
足切りにならないよう、しっかりと対策しておきたいところです。ほとんど暗記問題なので、しっかり対策すれば高得点が期待できます。
まとめ
『建築士の学科試験って対策どうすれば良いの?』『そもそも何を勉強すれば良いのかな?』と悩んでいて、一級建築士初受験の方に向けて、どんなことを勉強すれば良いのか、勉強方法などをご紹介しました。
勉強は過去問を中心に勉強するのがおすすめです。それぞれ暗記問題と計算問題に分けて、スケジュールをたてましょう。
参考にして、受験対策をしてもらえたら嬉しいです。