一級建築士の製図試験って大変そうだけど、どれくらいの勉強時間をかけたら合格できるんだろう?
こんな疑問にお答えします。
ポイント
- 一級建築士の製図試験合格に必要な勉強時間がわかる
- 製図の勉強時間を確保する方法がわかる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
一級建築士の製図試験合格に必要な勉強時間
さっそく結論ですが、一級建築士の製図で合格するのに必要な勉強時間は200時間から250時間と言われています。
では、200時間から250時間を勉強するためには、どれくらいのペースで製図の勉強をすればよいのでしょうか?
下記3点に分解して製図の勉強ペースを説明します。
ポイント
- 1週間で必要な勉強時間
- 平日の勉強時間
- 土日祝日の勉強時間
1週間で必要な勉強時間
製図試験の合格に、1週間で必要な勉強時間は30時間です。
理由は、製図の問題発表から受験日まで8週間あるからです。
30時間✕8週間=240時間 ですので、1週間に30時間勉強できるように、勉強計画を作りましょう。
平日の勉強時間
一級建築士の製図試験合格のために、平日勉強すべき時間は、2時間です。
理由は、普通に残業していたら2時間くらいしかまともに勉強できないからです。
具体的にいうと、一級建築士の20代の残業時間は40時間になります。
月間40時間の残業であれば、1日あたり2時間の残業です。
9時から18時が定時だとすると、20時までは働くことになります。
そうなると、なんやかんや家につくのは21時半ころでしょうか。
それからご飯を食べたりする時間を考えると、2時間程度の勉強時間が睡眠時間を確保できるギリギリの時間になります。
隙間時間をフルに活用すれば、昼休みと通勤時間を使い、プラス1時間の合計3時間はできるでしょう。
このように、1日2時間は頑張ればできる勉強時間ですので、1日2時間勉強できるように工夫をしてください。
土日祝日の勉強時間
一級建築士の製図試験合格のために、土日祝日に勉強すべき時間は、10時間です。
なぜなら、平日が2時間程度しか勉強できないからです。
具体的には、平日2時間✕5日=10時間ですので、週30時間勉強するためには、土日祝日で20時間以上勉強する必要があります。
土日の2日間があるなら、10時間ずつ勉強すれば達成可能です。
ここまでは、一級建築士の製図で合格するのに必要な勉強時間は200時間から250時間を実際に勉強するために、
ポイント
- 1週間で必要な勉強時間
- 平日の勉強時間
- 土日祝日の勉強時間
の3点に分けて説明してきました。
実際にどれくらいの勉強が必要なのかというと、下記の通り必要です。
ポイント
- 1週間で必要な勉強時間→30時間
- 平日の勉強時間→2時間
- 土日祝日の勉強時間→10時間
もちろんこれは目安ですので、土曜も出勤の人は出勤日は3時間、休みのは12時間などと調整する必要があります。
では、実際に勉強時間を確保するためには、どうすれば良いのでしょうか。
一級建築士の製図の勉強時間を確保する方法
一級建築士の製図の勉強時間を確保する方法は、要素ごとに分割して勉強することが有効になります。
理由は、まとめて勉強すると10時間などが必要になって平日は全く勉強できなくなるからです。
具体的には、
ポイント
- エスキス
- 製図
- 記述
の3つに分けると良いでしょう。
慣れたらもっと細分化して隙間時間を活用できるようになると、より勉強時間を確保する負担が減ります。
エスキスの時間を確保するには
エスキスの時間を確保するには、エスキスをまず分割しましょう。
分割のしかたは、下記のように分割すると良いでしょう。
1.問題文を読む
引用:一級建築への道|【一級建築士の製図の対策】エスキスってどうやる?手順を公開
2.敷地を書く【1/400がおすすめ】
3.敷地に建てられる限界を確認
4.構造と階数確認
5.設備機械室必要の有無チェック
6.断面を確認【コアや吹き抜け】
7.敷地外からのアプローチを考える
8.建物のフレームを考える
9.各階にどの居室をいれるか考える
10.ワンスパンを4マスで表現してプランニング
11.面積を算出してチェック
それぞれのエスキスにかかるざっくりの時間は、このようになります。
1.問題文を読む→20分
2.敷地を書く【1/400がおすすめ】→2分
3.敷地に建てられる限界を確認→2分
4.構造と階数、面積確認→9分
5.設備機械室必要の有無チェック→3分
6.断面を確認【コアや吹き抜け】→10分
7.敷地外からのアプローチを考える→3分
8.建物のフレームを考える→1分
9.各階にどの居室をいれるか考える→12分
10.ワンスパンを4マスで表現してプランニング→30分
11.面積を算出してチェック→5分
慣れるともっと早くなりますが、最初はこんな感じです。
このように分割してかかる時間を予測しておくと、どれくらい時間が空いたらどの練習ができるか明確になります。
たとえば、電車の通勤は40分かかるから、プランニングの練習をしよう、と隙間にフィットする練習を入れ込むことが可能です。
15分空いたら、敷地外からのアプローチを5本練習する、というように使えば、エスキスの時間はいくらでも確保できるでしょう。
それぞれのエスキスのやり方は、次の記事で解説していますので、興味がある場合は読んでみてください。
製図の勉強時間を確保するには
製図の勉強時間を確保する方法も、基本的には分割することになります。
なぜなら、要素を分解しないとまとまった勉強時間が必要だからです。
具体的にどんなふうに分割すれば良いのかというと、下記のように分割するのが良いでしょう。
ポイント
- 平面図
- 通り芯、寸法
- 柱
- 外壁
- 間仕切り壁
- 建具
- ELV
- 階段
- トイレ
- 避難距離
- 防火区画、延焼の恐れのある範囲
- 断面図、矩計図
- 通り芯、寸法、階高、GL、最高高さ
- 床(スラブ)・耐圧盤
- 梁・地中梁・小梁
- 基礎・パラペット・屋根
- 外壁、区画壁
- 天井・内壁
- 仕上げ(床仕上げ、二重床、額縁、カーテンボックスなど)
- 部屋名、天井高さ寸法、断面符号・記号、スラブ厚さ
- 見えがかり(柱や梁、屋上緑化、設備機器、家具など)
これぐらい分割してあれば、平日の夜でもささっと練習でき、寝る直前まで練習できます。
大切なのは、苦手な部分を明確にして何度も練習することと、決まった書き方を覚えてしまうことです。
たとえば、トイレやELV、階段はもう書き方を完全に覚えてしまった方が良いでしょう。
覚えた書き方で繰り返し書いてスピードアップする方が効率的です。
製図の練習は、とにかく線を引く練習ですので、無心に線を引けるようになるまで繰り返してください。
平面図や断面図の書き方、手順については、下の記事で解説しています。
記述の勉強時間を確保するには
記述の勉強時間を確保するには、暗記の時間を確保しておけば問題ありません。
というのも、記述の勉強は、学科試験の勉強とほぼ同じで、覚えるべきことを暗記しておけば解けるからです。
具体的には、構造計画や設備計画のキーワードを暗記して、ちゃんと文章としてまとめられれば問題ありません。
ですので、キーワードを暗記したり、例文を暗記しておけば、本番で問題なく解けます。
つまり、暗記する時間を確保すれば良いだけです。
暗記する時間を確保するだけなら、昼休みでも電車待ちの時間でも喫煙休憩中でも待ち合わせの空き時間でもいくらでもありますよね?
詳しい記述対策については下記の記事を確認してください。
これでも勉強時間を確保できないよっていう方は、お金で時間を買いましょう。
まとめ
この記事では、「一級建築士の製図試験って大変そうだけど、どれくらいの勉強時間をかけたら合格できるんだろう?」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、一級建築士の製図で合格するのに必要な勉強時間は250時間であり、実際にどれくらい勉強すればいいのかというと、下記の通り必要です。
ポイント
- 1週間で必要な勉強時間→30時間
- 平日の勉強時間→2時間
- 土日祝日の勉強時間→10時間
もちろんこれは目安ですので、土曜も出勤の人は出勤日は3時間、休みのは12時間などと調整する必要があります。
また、一級建築士の製図の勉強時間を確保する方法は、要素ごとに分割して勉強することが有効です。
ポイント
- エスキス
- 製図
- 記述
のそれぞれに分解して、さらにそれぞれを細切れに分解すると、小さな単位で勉強できるようになります。
エスキスは下記のように分解して下さい。
ポイント
- 問題文を読む→20分
- 敷地を書く【1/400がおすすめ】→2分
- 敷地に建てられる限界を確認→2分
- 構造と階数、面積確認→9分
- 設備機械室必要の有無チェック→3分
- 断面を確認【コアや吹き抜け】→10分
- 敷地外からのアプローチを考える→3分
- 建物のフレームを考える→1分
- 各階にどの居室をいれるか考える→12分
- ワンスパンを4マスで表現してプランニング→30分
- 面積を算出してチェック→5分
製図は下記のように分割するのがおすすめです。
ポイント
- 平面図
- 通り芯、寸法
- 柱
- 外壁
- 間仕切り壁
- 建具
- ELV
- 階段
- トイレ
- 避難距離
- 防火区画、延焼の恐れのある範囲
- 断面図、矩計図
- 通り芯、寸法、階高、GL、最高高さ
- 床(スラブ)・耐圧盤
- 梁・地中梁・小梁
- 基礎・パラペット・屋根
- 外壁、区画壁
- 天井・内壁
- 仕上げ(床仕上げ、二重床、額縁、カーテンボックスなど)
- 部屋名、天井高さ寸法、断面符号・記号、スラブ厚さ
- 見えがかり(柱や梁、屋上緑化、設備機器、家具など)
記述はキーワードを暗記すれば良いので、学科試験の時と同じように暗記すればOKです。
この記事を参考に、一級建築士の製図試験をのり切ってください。