法令集見てもさっぱりわからん。
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 容積率の計算方法がわかる
- 最大延床面積の計算方法がわかる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
容積率や延床面積の計算の流れ
容積率や最大延床面積を求めるには2つのパターンがあります。
前面道路の最大幅員が12m以上か、12m未満かです。
前面の道路の最大幅員 が12m以上の場合
前面の道路の最大幅員が12m以上の場合、指定容積率を使って延床を計算します。
ですので、容積率は指定されており、延べ床面積を計算するだけでOKです。
計算の流れは以下の通りになります。
- 容積率の限度決定(指定容積率Vsを使用)
- 法42条2項道路による敷地面積計算
- 道路の反対側が宅地→道路中心線から2m後退
- 道路の反対側が川・がけ→道路の反対側から4m後退
- 延べ面積を計算
- 容積率対象外の面積を計算して引く
- 車庫、備蓄倉庫、自家発電設備等
- 住宅の地下(住宅部分の面積の1/3まで除外可能)
- 共同住宅の共用廊下、共用階段
4つの手順を踏めばOKですが、それなりに手順があるので問題を解きながら覚えましょう。
前面の道路の最大幅員 が12m未満の場合
前面の道路の最大幅員が12m未満の場合は、容積率を計算し、指定容積率と計算した容積率の大小に応じて延べ床面積を計算します。
細かな流れは以下の通りです。
- 特定道路による前面道路幅員の緩和を確認して計算※公式使う
- 幅員15m以上の特定道路があるか
- 特定道路に接続する前面道路幅員が6m~12m未満か
- 特定道路からの距離が70m以内か
- 前面道路の最大幅員を確認
- 前面道路幅員による容積率を計算
- 住居系なら幅員×4/10
- 非住居系なら幅員×6/10
- 指定容積率Vsと前面道路幅員より算出した容積率Vdを比較し小さい方採用
- 法42条2項道路による敷地面積計算
- 道路の反対側が宅地→道路中心線から2m後退
- 道路の反対側が川・がけ→道路の反対側から4m後退
- 延べ面積を計算
- 容積率対象外の面積を計算して引く
- 車庫、備蓄倉庫、自家発電設備等
- 住宅の地下(住宅部分の面積の1/3まで除外可能)
- 共同住宅の共用廊下、共用階段
前面の道路の最大幅員が12m以上の時と比べて計算の流れが多少多いです。
後半は同じ流れなので、確実に覚えてしまいましょう。
道路幅員の緩和条件は公式があるので、これから紹介します。
特定道路による前面道路幅員の緩和公式
下記の3つの条件を満たしたとき、公式で計算した値だけ道路が大きいとみなして容積率を計算できます。
- 幅員15m以上の特定道路があるか
- 特定道路に接続する前面道路幅員が6m~12m未満か
- 特定道路からの距離が70m以内か
この道路幅員の緩和により容積率を大きくとることが可能です。
公式は次の通りになります。
Wa=(12-Wr)×(70-L)/70
Wa:道路幅員緩和値
Wr:前面道路最大幅員
L:特定道路からの距離
公式を覚えるのは、条件を覚えてしまえばさほど難しくありません。
条件と連動した部分が多いので、一緒に覚えてしまいましょう。
2019年一級建築士の法規の過去問【容積率の計算問題】
この問題は容積率を計算する問題です。
出題のされ方はわりとスタンダードですが、商業地域と準住居地域にまたがって敷地があるのがポイントになります。
さほど計算も複雑ではないのでサクッと解説していきましょう。
過去問解説
前面道路の最大幅員が12m未満なので、公式を使って容積率を求めていきましょう。
1.特定道路による前面道路幅員の緩和を確認して計算
まず緩和条件に当てはまっているか確認をします。
緩和条件はさきほどご紹介しましたが、下記です。
- 幅員15m以上の特定道路があるか
- 特定道路に接続する前面道路幅員が6m~12m未満か
- 特定道路からの距離が70m以内か
20mの特定道路があり、前面の道路幅員が8mと9m、特定道路からの距離が35mなので3つの条件を満たしています。
ですので公式を使って計算しましょう。
Wa=(12-Wr)×(70-L)/70
Wa:道路幅員緩和値
Wr:前面道路最大幅員
L:特定道路からの距離
なので、Wr=8、L=35より
Wa=(12-8)×(70-35)/70=2m
2.前面道路の最大幅員を確認
次に前面道路の最大幅員を確認します。
前面道路は8mと9mなので、最大幅員は9mです。
ですが、緩和規定により8mの方が2m緩和されるので、最大幅員は10mとなります。
3.前面道路幅員による容積率を計算
さきほど計算した前面道路幅員を用いて容積率を計算しましょう。
容積率を求めるのは下記式によるので
- 住居系なら幅員×4/10
- 非住居系なら幅員×6/10
商業地域:10×0.6=6
準住居地域:10×0.4=4
となります。
4.指定容積率Vsと前面道路幅員より算出した容積率Vdを比較し小さい方採用
商業地域の指定容積率Vs=7、計算による容積率=6より容積率6、準住居地域の指定容積率=2、計算による容積率=4より容積率2です。
面積がちょうど半分なので、二つの容積率を足して2で割ると(6+2)/2=4より答えは2番となります。
まとめ
この記事では、「一級建築士の法規で容積率や最大延床面積を求める問題が出るんだけど、どうやって計算したら良いかわかんない。法令集見てもさっぱりわからん。」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、計算の流れに2つパターンがあり、パターンに応じてを計算すれば解けます。
この記事を参考に、素敵な法規ライフをお過ごしください。