一級建築士の構造で座屈の計算問題が出るんだけど解き方全然わからない
公式みても意味がわからん
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 座屈の公式がわかる
- 公式の使い方がわかる
- 過去問の解き方がわかる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
座屈の公式
座屈の荷重はオイラーの座屈荷重と呼ばれる公式があります。
P=π2EI/L2
です。
このLは有効座屈長さと呼ばれ、普通のLとは違って座屈の形状により決まります。
座屈の形状には大きく5つの座屈モードがあります。
圧縮した点が移動しない座屈と、水平移動する座屈の2種類に分けて、5つのモードを解説しましょう。
座屈長さ【水平移動しない】
圧縮して水平移動しない座屈モードは、端部の形状により3種類に分けられます。
それぞれ順番に見ていきましょう。
固定端-固定端
両端が固定端で、圧縮した時に水平移動しないパターンの時です。
この時の有効座屈長さはL/2になります。
半円の部分が有効座屈長さになるので、悩んだ時は、半円がどのくらいの長さになるかを考えましょう。
固定端-ピン
固定端とピン接合で水平移動しない座屈モードです。
この時の有効座屈長さは0.7Lになります。正確にはL/√2ですが、計算するとだいたい0.7Lです。
ピン-ピン
両端がピン接合で水平移動しない座屈モードです。
この時の有効座屈長さはLになります。
図を見ていただくとわかりますが、きれいな半円になるのでLがそのまま有効座屈長さです。
座屈長さ【水平移動】
次は、圧縮した時に圧縮したポイントが水平移動してしまう時の座屈モードです。
水平移動する時の座屈モードは2種類あります。
順番に見ましょう。
固定端-固定端
両方とも固定端の水平移動する座屈モードです。
この時の有効座屈長さはLとなります。
半円で有効座屈長さとなるので、1/4円がL/2なので2倍してLです。
固定端-ピン(自由端)
固定端とピン接合の水平移動する時又は自由端の座屈モードです。
有効座屈長さは2Lとなります。
1/4円がLなので2倍して2Lです。
2017年一級建築士の構造の過去問
それでは過去問を試しに解いてみましょう。
過去問を解説
ではAから順番に計算してみましょう。
Aの座屈モードを考えると下図のようになります。
座屈モードは水平移動するピンと固定端なので、有効座屈長さは2Lとなるので4hです。
次にBの座屈モードを考えると下図のようになります。
座屈モードが水平移動する固定端と固定端なので、有効座屈長さはLとなり5hです。
最後にCの座屈モードを考えると下図のようになります。
Cの座屈モードは水平移動しない固定端と固定端なので、有効座屈長さはL/2となり3hです。
Pa:Pb:Pc=1/4h:1/5h:1/3h
となるので、Pc>Pa>Pb
よって正解は3番となります。
まとめ
この記事では、「一級建築士の構造で座屈の計算問題が出るんだけど解き方全然わからない。公式みても意味がわからん。」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、座屈モードを判断できるようになって有効座屈長さを覚えましょう。
この記事を参考に、素敵な座屈ライフをお過ごしください。