立面図をいい感じにしたから影をつけたいんだけど、どうすればいいんだろう?
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 立面図への影の付け方がわかる
- たくさんの影の付け方のパターンから、他の形状の影のつけ方を想像できるようになる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
なお、立面図の書き方がわからないかたは、こちらの記事を読んでみてください。
建築の立面図に影をつける方法12種類
建築の立面図に影をつける方法は主に12種類あります。
ポイント
- 屋根の軒が出ているとき
- バルコニーが出ているとき
- 入り口がアルコーブになっているとき
- 円柱形の柱のとき
- ファサードが雁木形状のとき1
- ファサードが雁木形状のとき2
- ピロティがあるとき
- 庇があるとき
- 外部階段があるとき
- パーゴラがあるとき
- 凸のファサードがあるとき
- トンネル型のファサードがあるとき
順番にどのように影がつくか見ていきましょう。
なお、太陽は右上にあり日の光を注いでいるという前提で全部説明します。
屋根が出ているとき
屋根の軒が出ているときの、屋根の軒から壁に落ちる影の付け方です。
切妻屋根の平側方向を例に書きましょう。
右斜め上から光があたっているので、左下にむかって影ができます。
影の落ち方の基本となる部分ですので、イメージもしやすく書きやすいでしょう。
バルコニーが出ているとき
バルコニーが出ているときの、バルコニーから壁に落ちる影の付け方です。
バルコニーの下側は、屋根の平側と影の付け方同じとなります。
バルコニーの壁側から建物の外壁に向かって、斜め左下に影ができるので、そこに注意しましょう。
入り口がアルコーブになっているとき
入り口がアルコーブになっている場合の、アルコーブ部分の影の書き方です。
バルコニーの影の書き方の応用になります。
軒天部分はバルコニーの下端と同じ影の付き方、アルコーブの壁部分はバルコニーの壁と同様の影の落ち方です。
玄関部分の外壁の影が少し暗くなる程度になるので、そこに注意すればすぐ描けるようになるでしょう。
円柱型のとき
円形の建物のときの、円柱部分に回り込む影の落ち方です。
円形の場合はグラデーションになって影の濃さが変わります。
丸い柱はよく使うので、基本形として覚えましょう。
ファサードが雁木のとき1
敷地が傾いていて日光を各部屋に入れるとき、ファサードが雁木形状になるので、その場合に使う影の落ち方です。
雁木形状は表現が難しいので、アイソメを使った簡易パースでイメージをつかんでください。
影は日が直接当たらない部分と、日が当たる部分に影ができる場所の2種類を使い分けましょう。
凹凸の角度によって影の書き方が変わるので注意してください。
ファサードが雁木のとき2
先ほどの形状と比べて雁木の角度が変わったパターンです。
影の落ち方が変わるので、そこに注意すれば問題無く書けるでしょう。
日の当たる面と当たらない面の2パターンしかないので、覚えれば簡単に描けます。
ピロティがあるとき
ピロティがある時は、少し特殊な影の書き方になります。
ピロティ部の柱の影がポイントでしょう。
離れた場所に影が落ちるのを表現できるようになれば、様々なパースに応用できます。
庇があるとき
庇がある時の影の書き方です。
バルコニーの影の書き方と同じなので、難しいことはありません。
窓やドアなどの建具と同時に表現することが多いので、そこだけ注意しましょう。
立面図の窓の書き方は、こちらの記事で紹介しています。
外部階段があるとき
外部階段への影の書き方です。
階段はそもそもが複雑な形状ですので、基本的な影の形を覚えましょう。
段数が増えたり、階段の節が増えても同じ書き方で対応できます。
パーゴラがあるとき
パーゴラの影の書き方は、ピロティの時の柱の書き方と同じです。
この書き方はパーゴラの一般的な形状で書きましたが、形状によって影の形が大きく変わってしまうので注意しましょう。
凸のファサードがあるとき
今回はあえて複雑な凸形状のファサードで試しに書きました。
タイルや石などの外装仕上げ材や、特徴的なファサードを使う場合に、凸ファサードの影の書き方を使います。
使用頻度は低いですが、ごくたまに使うので、書くときに困らないようにしておきましょう。
トンネル型のファサードがあるとき
トンネル型のファサードの場合の影の書き方です。
アルコーブになっているパターンを書きました。
四角いアルコーブとかなり似た影の落ち方になります。
そもそも立面図の書き方に自信がないかたは、こちらの記事を読んでください。
まとめ
この記事では、「立面図をいい感じにしたから影をつけたいんだけど、どうすればいいんだろう?」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、影の書き方はパターンがあるので、いくつかのパターンを覚えておけば、練習するだけで描けるようになります。
この記事を参考に、立面図への影のつけ方をマスターしましょう。