実務 設計

設計と製図の違い【設計は課題を解決し、製図は図面にする】

2019/06/20

『設計と製図って何が違うのだろう?』

『設計者になりたいけど、とりあえず製図できるようになれば良いのかな?』

と悩んでいませんか?

この記事では、一級建築士や二級建築士などの設計者を目指している方や、どうせ転職するなら設計が良いと思っている方に向けて、設計と製図の違い、設計ができるようになる方法をご紹介します。

この記事を読むメリット

  • 設計と製図の違いがわかる
  • 設計に必要なことがわかる

記事の信頼性として、自己紹介を簡単にします。

私は建築学科の大学院を出ており、ゼネコンで10年ほど働いています。

一級建築士も持っています。

なので、この記事の信頼性はあると思います。

それでは、ご覧ください。

設計と製図は何が違うの?

簡単に言うと、設計とは課題を解決すること、製図とは設計したものを図面にすることです。

設計の一部に製図があります。

では、設計と製図についてもう少し詳しく考えてみましょう。

設計とは課題を解決すること

設計とは、課題を解決することです。

例えば、もっと座りやすいイスが欲しい!というお客様に、こんな素材の組み合わせをして、形もこんな風に変えたら座りやすくなりますよ~と提案するのは、イスの設計です。

3部屋ほしいけど吹き抜けははずせないから良い家にできない?というのを、プランニングするのは、家の設計になります。

わかりやすい例だとこのような形になりますが、実際の課題が表面に出てこず、わかりにくいです。

例えば、家族か明るく幸せに暮らせる家が欲しい、という課題は、どんなことをすれば解決できるかわかりにくいです。

このようなわかりにくい課題を、ヒアリングしたり調査したりしながら解決していくことこそが設計です。

製図とは設計したものを図面にすること

製図とは、設計で解決できる方向性を見つけたものを、実際に図面にするということです。

例えば、明るい家庭を実現するために、天窓と吹き抜けを作ってリビングに光を届けるように設計し、プランニングまで済ませたとします。

そうしたら、そのプランニングを、大体の寸法ではなくミリ単位で正確に記載していく作業が製図になります。

実際に手で図面を書くとはっきりするのですが、理解していないところや明確に寸法が決まっていないところは、図面を書くことが出来ません。

会社によっては、設計と製図を分業にして、製図を外注しているところもあります。

設計ができるようになるには

では、設計ができるようになるためには、どのようなことが必要でしょうか。

結論を言うと、手順を理解することと、その手順すべてをできるようにすることで、設計ができるようになります。

手順を理解する

設計の手順には大きく4つあります。条件の確認、コンセプト決め、エスキスしてプランニング、詳細を詰める、の4つです。

条件を確認する

条件を確認するというのは、地盤や敷地の条件、予算、工期、必要性能などを確認することです。

実際の作業だと、現地調査やヒアリングに当たります。

条件を明確にしないと、あとから実はお金がなくてそんなに広い土地に作れません、などといった行き違いが発生する原因になります。

条件をしっかりと確認しましょう。

コンセプトを決める

次にコンセプトを決めます。実際の業務だと企画設計と呼ばれる段階になります。

建物の概要を決めて、どんな手段でどんな課題を解決するのかということを明確にします。

例えば、日光を室内にたっぷりと取り込むことで、明るいリビングにして家族の団らんの場を明るくする、というようなことです。

延床面積はいくつか、何階建ての建物なのか、ボリュームはどの程度なのか、といったことをおおまかに決めていきます。

コンセプトを明確にしておかないと、あとでやっぱり違うとなったら大きな手戻りになってしまいます。

コンセプトをしっかりと決めましょう。

エスキスしてプランニングする

コンセプトが決まったら、エスキスをしてプランニングをしていきます。

実際の業務だと基本設計と呼ばれる段階になります。

建物の配置、部屋の配置、動線計画、ゾーニング、階段やエレベーターなどのコアの位置の決定、柱の位置を決める、構造計算を行う、設備の計画を決めるなど、様々なことを決めていきます。

もっと細かいエスキスの方法は、別記事で解説していますので、よろしければご覧ください。

エスキスしてプランニングをし、課題の具体的な解決案を明示しましょう。

具体的でない計画は、解決できるのか判断できません。

エスキスをしてプランニングを確実にしましょう。

詳細を詰める

プランニングが終わったら、細かな寸法や材質、色などの詳細を詰めていきましょう。

実際の業務だと実施設計と呼ばれる段階になります。

寸法を決めていくことで、各部材の納まりは問題ないか、法的な規制はクリアしているのか、扉を開けると照明にぶつかったりしないか、など細かな使い勝手に問題がないかを確認していきます。

詳細が決まっていないと、仕上げ材の数も決まらず発注もできません。

詳細を詰めましょう。

それぞれの手順ができるようになるには

それぞれの手順ができるようになるには、月並みですが、実際にやってみることです。

わかることとできることは違いますし、理解せずにできるようになるのは相当な量の努力が必要になります。

やってみて得られることと、勉強して得られるものは全然違います。

手順を理解し、それぞれできるようになりましょう。

では実際にどんなことんしたら良いかというと、2つあります。

図面をトレースすることと、条件を一緒にして設計してみることの2つです。

図面をトレースする

図面をトレースすることは、図面の基本的なルールや常識を覚えることができます。

例えばトイレの寸法ひとつを取ってみても、正確にルールを理解していないと書けません。

図面をトレースすることで、ひとつひとつの寸法がなぜこの寸法になったのか、なぜこの仕上げなのかを、少しずつ理解できるようになります。

トレースは最高の勉強方法です。

どんどんトレースしましょう。

条件を一緒にして設計する

条件を一緒にして設計してみるというのは、すでに設計図かある物件の、敷地情報や予算などの条件を一緒にして、エスキスをしなおしてプランニングすることです。

条件がおなじでも、コンセプトが違えば全く違うプランになります。

同じ問題を何度も解くことで、様々な角度から物事を見れるようになります。

条件を一緒にして、設計してみましょう。

まとめ

『設計と製図って何が違うのだろう?』『設計者になりたいけど、とりあえず製図できるようになれば良いのかな?』と悩んでいて、一級建築士や二級建築士などの設計者を目指している方や、どうせ転職するなら設計が良いと思っている方に向けて、設計と製図の違い、設計ができるようになる方法をご紹介しました。

簡単に言うと、設計とは課題を解決すること、製図とは設計したものを図面にすることです。

手順を理解することと、その手順すべてをできるようにすることで、設計ができるようになります。

参考にして、設計ができるようになってもらえたら嬉しいです。

-実務, 設計
-, , , , ,

© 2020 一級建築士への道