『設計図の線って色々あるけど違いってあるのかな?』
『線の太さも何種類かあるみたいだけどよくわからないな』
と悩んでいませんか?
この記事は、建築設計製図で線の種類をどう書いたら良いかと悩んでいる方に向けて、線の種類と太さについてご紹介します。
この記事を読むメリット
- 建築製図用の線の種類がわかる
- 太さの違いがわかる
私は普段ゼネコンで働いており、図面チェックも行っていますので信頼性はあると思います。
先日建築の施工図や設計図などの図面チェックをしていたら、線がめちゃくちゃなものがありました。
おそらく多くの方がはっきりとは理解していないのかと思い書いてみました。
この記事は3分くらいで読めます。それではご覧ください。
JISの建築製図用の線は4種類【手書きも同様】
JIS 8312 製図~表示の一般原則~線の基本原則に、主に以下の4つの線の種類が決められています。
- 実線
- 破線
- 1点鎖線
- 2点鎖線
他にもいくつかあるのですが、建築士の製図試験で多様するのはこの4つです。
では、なぜこの4つなのかというと、国土交通省でも基準として採用しているからです。
国土交通省は公共工事の際に『建築工事設計図書作成基準』というものを使って図面を提出させます。
建築士は国家試験ですので、国土交通省が使っている基準に合わせて書くのが普通に考えると自然です。
線の太さも決まってる
線の種類だけでなく、実は線の太さも実は決まっています。細線・太線・極太線の3つの区別があり、1:2:4の比率で太さが定められているのです。
太さの具体的な基準として0.13、0.18、0.25、0.35、0.5、0.7、1、1.4、2mmの9種類が使われる
武蔵野美術大学のHP
とあるのですが、手書きではこれを表現することは非常に難しいです。
なので、手書きの建築製図では極太線、太線、中線、細線の4種類程度を使い分けます。
一級建築士の製図試験ではさらに少なくして太線と中線の2種類を使い分け、濃淡で細線、太線を使い分けられるようにしてください。
建築製図の線の種類と太さ【手書き用】
手書きの建築製図では、線の種類と太さを合算して、主に7種類を使います。
実線は極太線、太線、中線、細線の4種類、他に破線、点線、一点鎖線、二点鎖線を使いますが、基本的に中線です。
極太線
この画像が極太線です。極太線はGLを書くときに使います。シャープペンの太さは0.7~1.0mmで書くとよりはっきりと太く表現できて良いでしょう。
太さはあくまで目安なので、表現の仕方はわかりやすさ重視にしてください。
太線
極太線より気持ち細めの線が太線です。太線は断面線など切り取った小口を書くのに使われます。
例えば、断面の輪郭を表すのに使われるので、平面図では柱や壁、断面図では梁やスラブなどに使います。
太さは0.5~0.7mmです。極太線の半分程度の太さにして、メリハリを付けましょう。
中線
中線は一般的な実線を引くときに使います。外形線、引き出し線、寸法線で中線を使うと良いでしょう。太さは0.5mm程度が多いです。
私は太線と中線共に0.5mmを使い、太線を濃く書き中線を普通に書くことで表現しました。
細線、仮線
細線や仮線は見えがかり、下書き線などに使います。 見えるけど消えそうな線で、消す必要はありません。
太さは0.3mm以下です。太線の半分程度の太さにしましょう。
慣れてきたら仮線は無しで書けるようになります。
破線
破線はかくれ線とも呼ばれ、隠れているものを書くときに使います。
例えば、平面図では領域を指定したり、間仕切りを表現するのに用いることがあります。上部の天井高さが違う部分や床仕上げの変更位置などに使ってもOKです。
太さは0.3~0.5mmです。太さは中線なので、無理に太さを変えずに書きましょう。
一点鎖線
一点鎖線は基準線を書くときに使います。
具体的には、通り芯や敷地境界線、シャッター芯などの位置決定のよりどころとなる線を書くのに使います。
太さは基本0.5mmが基本で、敷地境界線など強調したいときは0.7mmです。
二点鎖線
二点鎖線は想像のものを書くときに使います。
例えば、椅子や机などの家具はこんな感じで配置するといくつおけるよ、というイメージで書くときに二点鎖線で書きます。
太さは中線と同じで0.5mmほどです。
その他
他にも階段を省略するのに用いるジグザグ線がたまに使われています。
よく普段使いしている点線は製図ではほとんど使いません。間違って使うことが無いように注意しましょう。
まとめ
この記事では、建築設計製図で線の種類をどう書いたら良いかと悩んでいる方に向けて、線の種類と太さといった建築の線に関する基礎知識についてご紹介しました。
製図試験で手書きで書くときに適当に書く人がいますが、基準通り書かないと訳のわからない図面になります。
合格する図面は基準にのっとって書いた線ですので注意しましょう。