建築士試験の受験資格が令和2年の4月から変わったのって知ってましたか?
それと同時に学科試験の免除年数も変わりました。
この記事は一級建築士の学科試験を受験する方、製図試験を受験する方に向けて、受験資格の変更点や、学科免除のことについてご紹介します。
この記事を読むメリット
- 一級建築士の受験資格がわかる
- 製図試験の学科免除年数がわかる
それではご覧ください。
令和2年から建築士法が改正
令和2年の3月1日に建築士制度が変わります。簡単に言うと、実務経験は免許登録までに必要になり、実務経験の対象も拡大されました。
このことを受けて、受験者に3つの大きな影響が出ます。受験資格の緩和、学科試験免除年数の緩和、実務経験対象の拡大の3つです。
それでは、この受験者への3つの大きな影響について、受験資格の緩和から順番にご説明します。
一級建築士、二級建築士の受験資格が緩和
令和2年に建築士の受験資格が変わりました。結論を言うと、一級建築士は建築学科の大卒は実務経験なしで受験できるようになりました。二級建築士は大卒、高卒は実務経験なしで受験できます。
では今まで必要だった実務経験はどうなるのかというと、試験合格後の一級建築士免許を登録するときに必要になります。
具体的な例を言うと、建築学科の大学を卒業していれば、受験自体はいつでもOKです。
今までは実務経験を2年してからでないと受験できませんでしたが、とりあえず願書だしちゃって大丈夫になります。
これはとても大きな変更になります。建設業は言わずと知れた激務産業であったため、実際に働き始めてから勉強する時間を確保するのは至難のわざでした。
しかし、今回の変更によって大学を卒業していれば受験資格がもらえます。そのため、大学在学中に勉強をしておいて、卒業してからすぐに受験をすることが可能になりました。
今まで勉強する時間が取れなくて資格受験をしても合格できなかった人が多数いましたが、これから新しく受験する方は努力できれば一級建築士を取得できるようになるでしょう。
ぜひ勉強をして一級建築士を取得しましょう。
ここまでは、建築士の受験資格について説明しました。ここからは学科試験の免除年数についてご説明します。
学科試験の免除年数も緩和
学科試験の免除年数が、 令和2年の学科試験合格から 5年に変更になります。
今まで学科が合格しても、製図試験が受験できない時も含めて、3回落ちてしまったら学科から受験しなおしでしたが、5年の内に3回落ちるまでチャンスが増えました。
ギリギリで落ちていた人や、業務の都合で受験できずに落ちてしまった人にはかなりのチャンスです。
ですが、気を付けなければいけない点が2つあります。
1つは、今年の学科合格から免除年数が延びるということです。去年学科試験に受かった人は、変わらず3年縛りです。
2つ目は、チャンスは5回ではなく3回だという点です。学科合格の有効期間が3年から5年に伸びただけであって、製図試験を学科試験免除で受けれるのは、その間の初回を含めた3回です。
確実に製図の基礎勉強が終わってから受験可能なので、見極めがより重要になりそうです。
次は、実務経験の範囲についてご説明します。
実務経験の範囲も拡大
建築士の免除登録に必要な実務経験も緩和されます。簡単に言うと、大きく4点が拡大されます。
- 施工管理が追加
- 行政業務が追加
- 研究開発が追加
- 調査評価が追加
この中で特にインパクトがあるのが3の研究開発が追加でしょうか。大卒で院に進んだら、大学院在学中に受験でき、ちゃんと査読付きの論文を提出して修士卒業したら免許登録できます。
1の施工管理では、鉄骨工事、鉄筋工事、解体工事など、独自に施工図を作成する必要がある工事で構造や設備などに密接に関係している工事の施工管理が追加されました。
2の行政業務では、建築確認審査や消防審査に関する実務のみが対象でした。しかし、今回の改訂で建築行政の審査・検査・指導・解釈・運用・認定・判定業務が追加業務です。
他にも、住宅行政の補助金審査業務や特定空家等の調査、都市計画行政の市街地再開発事業や土地区画整理事業も追加されました。
4の調査評価では、既存建築物の調査・検査、定期調査・報告、劣化状況の報告業務なども追加されています。
これら4つの他にも、住宅瑕疵担保責任保険に関わる検査業務(保険検査)や住宅性能評価業務(性能評価)、適合証明、省エネ適判など様々な項目が追加されています。
今回の追加は以上のような内容ですが、毎年かはわかりませんが随時追加されていくようなので、建築士免許の取得を目指している方はチェックしておきましょう。
受験するならば、おすすめのテキストや問題集を紹介していますので、よければ見てみてください。
WEB講座での勉強を考えているなら、こちらの記事がおすすめです。
まとめ
この記事は一級建築士の学科試験を受験する方、製図試験を受験する方に向けて、受験資格の変更点や、学科免除のことについてご紹介しました。
変更点は主に以下の3点です。
- 受験資格が実務経験なしとなった
- 学会試験の免除年数が5年になった
- 実務経験の対象範囲が大きく拡大した
一級建築士の対策を何もしていない人もいるかもしれません。
その一方で、学科試験と製図試験の対策をすでに始めた方もいます。
受験資格や実務経験が変更になったことで、より受験者が増えるでしょう。
早い段階から勉強を始めて、アドバンテージを取っておきましょう。