『配筋の納まりを検討しろって言われたけどどうすればいいの?』
『そもそも配筋納まり図って何?』
と悩んでいませんか?
この記事では、実務で配筋納まり詳細図を書いて検討しろと言われている方に向けて、配筋納まり図とは何か、配筋図の書き方の一例をご紹介します。
この記事を読むメリット
・配筋納まり図とはなにかがわかる
・なぜ配筋納まり図が必要かがわかる
・配筋納まり図の基本の配筋図の書き方がわかる
記事の信頼性として、自己紹介を簡単にします。私は建築学科の大学院を出ており、ゼネコンで10年ほど働いています。一級建築士も取りました。
なので、この記事の信頼性はあると思います。
それでは、ご覧ください。
配筋納まり図とは
配筋納まり図とは、鉄筋やコンクリートの位置関係を表した平面図や断面図のことを言います。
配筋納まり図を書くことで、事前に鉄筋の位置関係を把握し、施工中に手戻りが発生しないようにします。
なぜ配筋図納まり図が必要か
結論から言うと、構造図では配筋が納まっていないからです。なぜなら、設計者がそこまで検討している余裕が無いからです。
設計図通りに作れば建物が出来上がるのが理想ですが、実際は設計図通りに作ると成り立たない部分が出てきます。
ですので、事前に配筋が納まるか検討をしておかないと、手戻り作業ばかりになってしまい、作業がはかどりません。
そのため、配筋納まり図が必要になります。
配筋納まり図を書くには配筋図が書けないといけない
では、配筋の納まり図を書こうということになるのですが、配筋図がまず書けないといけません。
先日とある案件で納まり図を若手に書かせてみたところ、若手が何も書けず苦労していました。
ヒアリングしてみたところ、どうも手順やどんな内容を書いて良いのかわからないという状況のようです。
そのため、構造図から配筋の情報を読み取って、コンクリートの中に配筋がどう配置させるのかを書けるようになる必要があります。
というわけで、配筋図の書く内容や手順を改めて考えてみることにしました。ラフスケッチを交えて解説します。
配筋図の書き方例
配筋図を書くときに必要な情報は、4つの情報が最低限必要になります。かぶり厚さ、鉄筋径、縦筋横筋のピッチ、躯体の寸法です。
この4つの情報を集めてから、書く作業に入りましょう。
書く手順は3つです。躯体の外形を書き、かぶり厚さの寸法を計り、鉄筋を書きます。
平面と断面を書くことで、納まっているかどうかを確認できます。
躯体の外形を書く
最初に構造図や躯体図を見て、躯体の外形ラインを書きます。
躯体図は構造図の寸法と同じか大きいはずなので、基本的に躯体図を見て書きましょう。
躯体図が無い場合や構造図の方が寸法が大きい場合は、構造図を優先しましょう。
例えばw18という壁で構造図では厚さ180、躯体図では厚さ200となっていたら、躯体図の厚さ200で躯体の外形を書きます。
かぶりやふかしの線を薄く書く
次にかぶりやふかしの厚さを調べて書きます。なぜなら、かぶり寸法を書いてから鉄筋を書くと、鉄筋が納まっているのかどうかがわかりやすいからです。
内部なのか、外部なのかによってかぶり厚さも違いますし、何の目的のふかしなのかによってふかしの寸法や方向も変わってきます。
躯体図にそのままふかし寸法も載っているので、しっかり確認しましょう。
鉄筋を書く
かぶり寸法のラインがわかったら、それを目安に外側の鉄筋から書いていきます。
外側の鉄筋が縦なのか横なのか注意しましょう。配筋のピッチにも注意しておきたいですね。
外側の鉄筋を書いたら、内側の鉄筋を書いて完成です。
このときに鉄筋がぶつかっていたら納まっていないので、躯体の寸法を大きくしたり、位置を微調整して鉄筋がぶつからないようにしてあげましょう。
まとめ
『配筋の納まりを検討しろって言われたけどどうすればいいの?』『そもそも配筋納まり図って何?』と悩んでいる方に向けて、配筋納まり図とは何か、配筋図の書き方の一例をご紹介しました。
配筋図や納まり図は何度も書くことで上達します。参考にして、配筋納まり図を書く足掛かりにしてもらえたら嬉しいです。