何年も一級建築士を受験してるけど、全然合格しない。もう諦めた方がいいのかな。
こんな疑問にお答えします。
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
一級建築士を諦めたくなったら知るべきこと
さっそく結論ですが、一級建築士を諦めたくなったら、一級建築士が本当に必要なのかを確認して今後も受験するか決めましょう。
なぜかというと、実はいらないと思っていると本気で勉強に取り組めないからです。
例えば、円周率を10桁まで言えたら1億円あげるという条件だったら、本気で覚えようとしますよね?
一方で、円周率を10桁まで言えたら10円あげるという条件だったら、何の魅力も感じないので、覚えようとすらしないでしょう。
このように、本当に必要なのであれば努力をめちゃめちゃするので、何年も受験していて一級建築士が取れていない場合は、本当に必要なのか確認してください。
一級建築士が本当に必要なの?
では、一級建築士が本当に必要なのか考えてみましょう。
考えるポイントは3つです。
一級建築士にできることは限られている
実際に実務をやってみる感じる人もいますが、一級建築士にできることは限定的です。
具体的な例を言うなら、人生最大の買い物である戸建ての家を買いに訪れるお客様に、家を建てることしかできません。
「家具などのインテリアのことはお客様の趣味で選んでください」、「土地の準備や資金繰りはご自身でお願いします」
家を買うということは、家を建てる以外にも様々なことがあります。
一級建築士は家を設計するだけ
それが、家を建てるパートナーである一級建築士ができることは、家を設計することだけです。大切な部分はお客様ご自身で。人生の最大の買い物にそんな無責任でいいのでしょうか。
一級建築士ができることは限定的、ということは紛れもない事実です。
そんな意見がある一方で、宅建士、インテリアコーディネーター、ファイナンシャルプランナーなどの資格も取ることで、インテリアについても提案できるようにしたり、土地を買うことについて相談できるようになる人もいます。
トータルで見たときに、一級建築士にこだわらなくてもお客様に価値を届けることもできるのです。
そうなると、「自分が本当にやりたいことは実はもうやれているかもしれない」「やりたいことに一級建築士が必要無いかもしれない」と思えるのであれば、一級建築士の資格は不要ですので、あきらめた方が良いでしょう。
本当にやりたいことはなに?
ではここで、本当にやりたいことは何なのかを、自分と対話して見つけ出しましょう。
いろんなことが複雑に絡み合っているのですが、どれが一番か確認してください。
設計がしたいだけなら資格がなくてもできる
設計がしたいだけなら、資格がなくても実際にできます。
なぜなら、筆頭の設計者として名前が残りませんが、実際に設計しているのは担当しているあなただからです。
具体的な例として、戸建ての設計がしたいのであれば、一級建築士でなくて二級建築士で大部分をカバーできます。
別な例として、大きな建物の設計がしたい場合も、リーダーが一級建築士であればよいので、自分が一級建築士である必要はありません。
実は設計がしたいだけなら一級建築士は不要です。
無資格の偉い人もいる
出世や昇給したいというのが一番の目的の場合、実は一級建築士は必須条件ではないことが往々にしてあります。
例えばいろんな上司を思い出してみてほしいのですが、実は一級建築士を持っていない部長、無資格の役員なんかはだいたいどこにでもいます。
それはなぜかというと、仕事さえできてしまえば良いからです。
仕事の良し悪しと一級建築士の有無は関係がありません。
ですから、出世を目指すのであれば、一級建築士を諦めて仕事を圧倒的にできるように努力する方が大切です。
一級建築士は出世のプラス査定でしかありません。
独立に一級建築士は不要
将来的に独立したいと考えてる人にとって目から鱗が落ちることかもしれませんが、実は、独立するのに一級建築士がなくても大丈夫です。
理由は、建築士事務所を立ち上げる時に一級建築士や二級建築士を雇えばいいからです。自分が持っている必要はありません。
具体的な例を言うと、社長は自分で一級建築士は無くてもOKで、社員として一級建築士や二級建築士を雇えば、十分独立していると言えます。だって社長はあなたですから。
なんでも一人でやる必要はありません。苦手な部分は得意な人にやってもらいましょう。
唯一無二の人材になるのに一級建築士は不要
唯一無二の人材になろうとした場合は、実は一級建築士は無くてもOK。
なぜなら、一級建築士は持っている人もたくさんいるので、一級建築士を取っただけではただの建築士だからです。
一級建築士を取っても安藤忠雄にはなれない
例えば、一級建築士を取ったからと言って、誰もが安藤忠雄さんの様にはなれませんし、伊東豊雄さんや隈研吾さんのようにもなれません。
多くの人は、せいぜい設計チームリーダーどまりがいいところで、全員が設計の賞を受賞するわけでもないので、一級建築士で唯一無二になるのはハードルがとてつもなく高いです。
ではどうすれば良いのかというと、スキルの掛け合わせをすることで解決できます。
一級建築士がなくても貴重な人材にはなれる
例えば、1万人に1人の人材になるには、100人に1人のスキルを2つかけ合わせればいいのです。
具体的な例を言うと、一級建築士で安藤忠雄のようになるのは最高に大変ですが、二級建築士で宅建も持っていてファイナンシャルプランナーでもある、みたいな人って全然いないですよね?
つまり、少し難易度の低いスキルでも、掛け合わせることで安藤忠雄のような1万人に1人の人材になることも可能だということです。
安藤忠雄さんのように、一級建築士として設計を突き詰める方法もありますが、安藤忠雄さんは設計することしかできないでしょう。
一方で、二級建築士で宅建も持っていてファイナンシャルプランナーであれば、土地のことも相談に乗れますし、資産状況やローンの相談にも乗れて設計することもできます。
家を建てることを最初から最後まで面倒を見ることができるとても貴重な人材になれるのです。
そういった理由から、唯一無二の人材になるのに一級建築士は無くてもOKです。
ですので、本当に一級建築士が必要かどうか、今一度自分の胸に聞いてみてください。
まとめ
この記事では、「何年も一級建築士を受験してるけど、全然合格しない。もう諦めた方がいいのかな。」
こんな疑問にお答えしました。
まとめると、一級建築士が本当に必要なのか、しっかりと確認しましょう。出世したい、昇給したい、独立したいといった理由の場合、一級建築士が無くてもOKな場合があります。
この記事を参考に、一級建築士を取得することに、今一度向き合いましょう。