製図板や平行定規って何が違うの?
買わなきゃいけないんだけど全部一緒に見える。
どれがおすすめか教えて?
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 平行定規と製図板の違いがわかる
- 平行定規の選び方がわかる
- おすすめの平行定規がわかる
私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。
この記事はだいたい3分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。
平行定規と製図板の違い
平行定規・製図板を選ぶ前に、まず違いを理解しておく必要があります。平行定規と製図板の違いは、平行の定規が付属しているかどうかです。
そのまんまなんですが、製図板はただの平らな板で、平行定規は平らな板に定規が付属してると思ってもらえればOKです。
平行定規と製図板のどちらが良いか
じゃあ平行定規と製図板のどっちにすれば良いかというと、建築士試験に使うつもりなら平行定規をおすすめします。
なぜなら、建築士の製図試験ではかなりの書くスピードが求められるからです。
具体的に言うと、平行定規は最初から平行な定規が付属しているので、直角な線や真っすぐな線をすぐに引けます。一方で、製図板は平行な定規にT定規というものを使います。これをセットするのが面倒なので時間がかかるのです。
そういうと製図板でも建築士の試験受けられるから問題ないと思うかもしれません。実際その通りで、建築士の製図試験は受けられます。ですが、受験会場で製図板を使っている人は見たことがありません。
T定規はセットしたりするのに時間がかかるのももちろんですが、セットするのに場所も取ります。狭い試験会場ではそんな余裕がないので、平行定規を使いましょう。
平行定規・製図板の選び方
では、平行定規の選び方についてご説明します。
平行定規の選び方は持ち運びやすさ・安定性や基礎機能・中古か新品か、の3点で選びましょう。
最高に安定していて最軽量という製品は存在しないので、どれを重視するかが大切です。
持ち運びやすさで選ぶ
学校に持って行ったり、職場に持って行ったりと頻繁に平行定規を持っていくなら、持ち運びやすさで選びましょう。
なぜなら、持ち運びにくい重たい製図板を持ち歩くだけで、やった気分になってしまうからです。
経験がある人はわかるーって思ってもらえるんですが、勉強道具とかを持ち歩いていると、別に何もやっていないんですけど勉強した気分になってしまいます。
重たい製図板を持ち運ぶと疲れてしまうので、製図をさあ始めようという気力が足りません。常に持ち歩いていく前提なら軽い製図板を選びましょう。
そういうと、重くてもやる気があれば大丈夫と思うかもしれません。確かにやる気に満ち溢れている方なら大丈夫でしょう。
ですが、疲れている状態で練習するよりも疲れてない状態の方が身になります。持ち歩くなら軽い製図板にしましょう。
安定性と基礎機能で選ぶ
平行定規は安定性が良いものを選びましょう。
なぜなら、安定性が悪いと真っすぐ線を書いている時に定規が曲がってしまったり、思わぬミスにつながるからです。
安定している平行定規は安心してまっすぐ力強い線を引くことができますが、不安定な平行定規ではいつ曲がるかという考えが頭に巡り、それだけでストレスになります。
これが建築士の試験中に起こると考えたらどうでしょう?問題に集中できませんよね。
そういうと、最近の平行定規はもうどの製品も安定してきているんじゃないの?と思うかもしれません。確かにそうで、最低限の安定性は有名メーカーなら確保されています。
だからこそ、安定性を売りにしているメーカーはその中でもダントツで安定しているので安心なのです。
安さを選ぶなら中古、安心を選ぶなら新品
中古と新品のどちらの平行定規を選ぶのが良いかというと、新品がおすすめです。
なぜなら、新品は製図が上手くいかなかった場合、全部自分の責任にすることができるからです。
中古の平行定規は安い反面、傷が合ったりねじが壊れていたりします。そのため、直線を引くと引っかかったり定規のブレーキが利かないことがあるのです。
そのまま練習を続けて試験に落ちたりとすると、平行定規が悪かったんだと思い、平行定規を買い直すことになります。それで平行定規を買い直して合格できるなら良いですが、練習の仕方が悪かった場合、また不合格になってしまうでしょう。
そこで初めて自分の製図のやり方が良くなかったと向き合います。新品で平行定規を買った場合は、1年目で落ちたタイミングで自分の製図のやり方を見直すので、1年時間を短縮できるのです。
それでもやっぱり安い方が良いと思うかもしれません。そういう人もいると思うので、安い中古品が良い方はメルカリやヤフオク、先輩から譲ってもらうなどしましょう。
ですが、1万円ほどの価格の差で1年を棒に振るかというのはなかなかチャレンジャーだと思います。お金は働けば稼げますが、時間は戻ってきません。新品を買いましょう。
ここまで選び方を見てきましたが、実際機能にどのような差があるのかを確認しましょう。
平行定規の機能を比較
この図はレモン画翠さんが作ってくれた比較表です。機能の差がわかりやすいですね。価格は常に動くものなので参考程度に見ておきましょう。
一覧表を見ると、機能の面で大きな差はないことがわかります。大きく違うのは重さで、ムトーとマックスの平行定規が軽いです。載ってませんがコクヨも軽いです。他に細かなオプションが色々ありますが、無視して大丈夫でしょう。
基礎機能はもう有名メーカーの製品ではほぼほぼそろっているので比較対象になりません。
選び方で見てきた安定性というのは、実は機能比較ではわからないんですね。長く使ってみて、思ったよりネジが緩むというのが分かってきます。なのでここに関しては自分の経験と自分の周りの意見や口コミで次項で説明します。
ここまで平行定規の選び方や比較を説明してきました。次項では私がおすすめする平行定規をご紹介します。
一級建築士が選ぶA2の平行定規・製図板のおすすめ5選
平行定規・製図板のおすすめ商品を独断と偏見でご紹介します。有名メーカーは網羅したので、この中から好きなものを選んでもらえれば間違いないです。
1.ステッドラー 平行定規 マルスライナー【私も使用】
安定性抜群の定番の平行定規
ステッドラーの平行定規は安定性が良く、昔から有名な製品です。ドイツのメーカーで業界では最高に有名なメーカーになります。ザ・無難な製品なので、安定、安心を重視するならステッドラーの平行定規一択です。
しょっちゅう持ち運ぶにはちょっと重たいので、家で製図の練習を良くやる人におすすめです。大学時代は重たいので学校に置きっぱなしにしてました。
建築士の製図練習では自宅で大活躍でしたね。資格学校に持っていったりもしましたが、週に1、2回なら頑張れるでしょう。
2.コクヨ トレイザー平行定規 ビニール製図板
マグネット無で最軽量かつ安い人気商品
コクヨのビニール製図板は最軽量の2.4㎏です。軽さを追求するためにマグネットを外しています。資格学校に平行定規を持ってくる人は、やはり軽いからかコクヨが多かったですね。
書くときに毎回ドラフティングテープを貼るのが面倒なので、私はやめました。軽さと安さを重視するならコクヨのビニール製図板がおすすめです。
3.ムトー 平行定規 ライナーボード
超軽量平行定規
マグネット付きの平行定規で超軽量の製品です。角度が10°まで付くのが珍しいので、背が低い人は重宝します。製図は用紙も大きいので角度が付くほど書きやすいです。
とはいえ、製図試験では傾斜角度を30°までつけてOKです。なので、「まくら」を段ボールで自作して持っていく人もいますので、そこまで角度は気にしなくても大丈夫でしょう。
価格が高いので私は敬遠しましたが、ムトーの製品は基礎機能が高く、滑り止めが付いていたり定規のフローティング高さが5mmまで調整できたりと、自分好みにカスタマイズしやすいです。
4.マックス 平行定規
オプション機能が充実、軽いのも○
マックスも軽いのが魅力の平行定規です。ムトーと同じくらい人気でしょうか。レモン画翠さんとコラボして商品を作ったりと、いろんなことをやってるメーカーです。
謎のオプション機能がたくさん付いています。それいるの?って思うんですが、道具入れなどを別に持ち込んだりするのを考えると、あっても損は無いのかなという印象の機能です。
割と安価なのが好印象ですが、無駄な機能を削ってもっと安くしてほしいです。
5.ドラパス 平行定規 ドラパスボード
定規の高さが5mmまで上げられる
ムトーやステッドラーより若干安めのドラパス。正直なんとも普通の平行定規という印象です。悪い点も無いですが、特段良い点も無いと思います。周りではドラパスを使っている人もそれなりにいました。
Amazonレビューで製図板がそってるって書いてますが、それは不良品なんだから取り換えてもらえば良いのであって、当たり前ですが全部の製品がそってるわけじゃないです。
平行定規・製図板のケース
たまに平行定規本体だけ間違って買う人がいるみたいなので、ケースもご紹介します。ケースにはソフトケースとハードケースがあります。ソフトケースは平行定規を買うとだいたいついてきます。
ハードケースはあんまり売ってないので今回はソフトケースのみご紹介します。
平行定規・製図板用ソフトケース ステッドラー
まとめ
この記事では、「製図板や平行定規って何が違うの?買わなきゃいけないんだけど全部一緒に見える。どれがおすすめか教えて?」
こんな疑問にお答えしました。
おすすめの平行定規はステッドラーです。しょっちゅう持ち運ぶ人はコクヨがおすすめです。
この記事を参考に、快適な製図ライフをお過ごしください。