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全塑性モーメントの考え方と計算方法【一級建築士の構造】

2020/02/28

全塑性モーメントとかムズすぎ

どうやったら計算できるの?

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むメリット

  • 全塑性モーメントの公式がわかる
  • 全塑性モーメントの計算方法がわかる

私のことを簡単に自己紹介すると、ゼネコンで10年ほど働いていて、一級建築士も持っています。

この記事はだいたい2分くらいで読めるので、サクッと見ていきましょう。

弾性、弾塑性、塑性のモーメントは何が違うのか

弾性、弾塑性、全塑性モーメントの荷重モデル

結論をいうと、弾性、弾塑性、全塑性モーメントは部材の応力の形状が変わります。

上図のように集中荷重が作用した場合の応力を、部材を拡大してみてみましょう。

弾性モーメント

部材に生じる弾性モーメント

弾性の場合は部材のモーメント図が上図のようになります。

三角形の大きさに多少の差はあれど、形は同じです。

弾塑性モーメント

部材に生じる弾塑性モーメント

弾塑性の場合は一部が塑性し始めているが、まだ弾性の範囲も残っています。

なので、三角形が図のように台形状になるのです。

分割して長方形部が塑性部、弾性部分が三角形部になります。

全塑性モーメントの考え方

部材に生じる全塑性モーメント

では全塑性モーメントはどうなるのかというと、三角形だった部分が全て四角形になります。

公式は

全塑性モーメントMp=σy×Zp

となりますが、これは

σ=M/Z

をただ変えただけですね。

そんなに難しくないのでさくっと覚えてしまいましょう。

一応こんな公式がありますが、Zpの意味合いは圧縮部四角形の面積×圧縮と引っ張りの距離なので、高さD、幅Bとすると、

(B×D/2)×(D/4+D/4)=BD2/4

となります。

この流れは覚えておきましょう。

2019年一級建築士の構造の過去問

建築技術教育普及センター

まずこちらの過去問を解いてみましょう。

見たところ、全塑性モーメントを求める問題のようですね。

さきほど覚えた公式を使って解説します。

過去問を解説

まずNの大きさを求めます。

引張の形状を見ると、Mの圧縮部分は上からaの部分だけとなるので(下図赤)Nは下図の青の部分です。

圧縮とモーメントを考慮した弾塑性モーメント図

Nの部分の面積を求めると

4a×2a=8a2

なので、

N=8a2σy

となります。

一方でMの上の部分の面積を求めると

a×4a=4a2

なので、引張から圧縮までの距離5aをかけると、

M=4a2×5aσy=20a3σy

です。

よって答えは4番となります。




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まとめ

この記事では、「全塑性モーメントとかムズすぎ。どうやったら計算できるの?」

こんな疑問にお答えしました。

まとめると、公式は簡単に覚えられますが解き方が肝になるので覚えましょう。

この記事を参考に、素敵な構造計算ライフをお過ごしください。

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